コーザー(読み)こーざー(その他表記)Lewis Coser

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コーザー」の意味・わかりやすい解説

コーザー
こーざー
Lewis Coser
(1913―2003)

アメリカ社会学者。ベルリンに生まれる。ソルボンヌ大学で研究後、1941年アメリカに亡命、移住し、コロンビア大学に学んで1954年博士号を取得。1948年以降、シカゴ大学ブランダイス大学教鞭(きょうべん)をとり、1969年以降ニューヨーク州立大学教授。社会的葛藤(かっとう)に関する研究をはじめ、政治社会学の視座からの探求、また知識人論や文学社会学など文化社会学の視座からの探求をも駆使して、広く社会現象を考察した。とくにユニークな理論上の展開は、葛藤や闘争が一般には社会状況にとってマイナス事象とされるにもかかわらず、実は社会成員の緊張や葛藤を緩和したり均衡をもたらしたりする機能をもつことに着目した点にみられる。これらの成果は『社会闘争の機能』The Functions of Social Conflict(1956)、『知識人と社会』Men of Ideas(1965)に詳しい。

[鈴木幸寿]

『高橋徹監訳『知識人と社会』(1970・培風館)』『新睦人訳『社会闘争の機能』(1978・新曜社)』『T・ボットモア編、L・コーザー著、磯部卓三訳『アメリカ社会学の形成』(1981・アカデミア出版会)』『ルイス・A・コーザー著、荒川幾男訳『亡命知識人とアメリカ』(1988・岩波書店)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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