ごみ公害(読み)ごみこうがい

百科事典マイペディア 「ごみ公害」の意味・わかりやすい解説

ごみ公害【ごみこうがい】

主に,1.ごみの焼却施設でごみを焼却した際に発生し,煙突から排出される有害物質による大気汚染,2.埋立て処分された焼却灰中の有毒物質による海域水質,魚介類の汚染,3.産業廃棄物処分場が水源地につくられることによる水源地・水道原水・地下水の汚染を指す。大気中に排出された有毒物質は雨で地上に落ちて土壌農作物などを汚染し,一部は川を経て海に流れ込み,魚介類の生物濃縮を経て人体に取り込まれる。また,ごみ最終処分場で汚水が漏れ有毒化学物質が検出された例,不法投棄された産業廃棄物から高濃度ダイオキシンのほか高濃度のPCBベンゼン(発癌性物質)などが検出された例もある。1996年12月現在,一般ごみ・産業廃棄物の処理施設(焼却場,最終処分場,破砕場など)による環境汚染をめぐって地域住民との間に紛争が起こっているところは全国で21ヵ所,産業廃棄物の不法投棄・不適正処理が問題になっているところはわかっているだけで38ヵ所ある。
→関連項目ごみ処理プラスチックごみ

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