PCB(読み)ぴーしーびー

共同通信ニュース用語解説 「PCB」の解説

PCB

ポリ塩化ビフェニール(PCB) 有機塩素化合物一種。熱に強く、水に溶けにくい性質から、変圧器コンデンサー絶縁油、船の塗料に使われた。毒性が強く、環境中で分解が難しいため、ストックホルム条約で製造や使用の禁止、排出削減に取り組む方針を決定。2028年までに世界で処理を終えることを目指している。それまでは無害化の作業や厳重管理が必要だが、紛失漏出も起きている。摂取すると、肝機能障害や免疫機能の低下などを引き起こす恐れがある。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「PCB」の意味・わかりやすい解説

PCB
ピーシービー
polychlorinated biphenyl

ポリクロロビフェニルの略で,ポリ塩素化ビフェニルともいい,ポリ塩化ビフェニルは,誤訳であるが慣用語として使われている。ビフェニル (→ジフェニル ) を塩素化することで,1分子中にあるそれぞれ3~6個の水素原子を,塩素原子に置き換えて得られた同族体の混合物である。淡黄色の油性から暗色の固体まであり,用途により混合物の組成が異なる。電気の絶縁性が高く,不燃で,安定性に優れているため,トランスコンデンサの絶縁体,熱媒体,塗料,印刷用インキ,複写紙,可塑剤などと広範囲に利用されるようになったが,カネミ油症事件を契機に,1972年生産が中止され,厳しい使用制限を受けている。生体内に入ると分解されずに脂肪内に蓄積され,視力障害や肝臓障害などの中毒症状を起こす。日本における累積使用量は6万tに達し,2万~3万tは回収不能とされ,回収した分についても,適切な処理方法がないため蓄えられたままになっていたため,その保管・処分を規制するとともに処理を促進すべく,環境事業団に PCB処理施設の設置・管理権限を与える環境事業団法改正とともに 2001年,PCB特別措置法=「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」 (平成 13年法律 65号) が制定された。 2004年4月環境事業団は解散し,独立行政法人の環境再生保全機構にポリ塩化ビフェニル廃棄物処理助成事業 (PCB基金) が,日本環境安全事業株式会社にポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業がそれぞれ承継された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「PCB」の意味・わかりやすい解説

PCB
ぴーしーびー

ポリ塩化ビフェニル

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例