サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(読み)サイクリンイゾンセイキナーゼソガイザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説

サイクリン依存性キナーゼ阻害剤

製品名
《アベマシクリブ製剤》
ベージニオ(日本イーライリリー
《パルボシクリブ製剤》
イブランス(ファイザー

 サイクリン依存性キナーゼ4及び6(CDK4/6)は、細胞周期の制御において最も重要な因子のひとつであり、細胞周期の進行を促進します。乳ガンなどの腫瘍細胞では、このCDK4/6が活性化し、ガン細胞の増殖を引き起こします。


 CDK4/6阻害剤は、CDK4/6の活性を阻害し、細胞周期の進行を停止して腫瘍の増殖を抑制する新しい作用の薬剤です。手術不能または再発乳ガンの治療に使用されます。アベマシクリブ製剤では、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の場合に使用されます。


①骨髄抑制(好中球減少、白血球減少貧血など)のほか、アベマシクリブ製剤では、肝障害、重度下痢、間質性肺疾患が現れることがあります。このような症状が現れたときは、使用を中止して、すぐに医師に報告してください。


②脱毛症、発疹ほっしん吐き気嘔吐、下痢、疲労、感染症、皮膚乾燥、流涙増加、食欲減退、異常味覚、鼻出血などが現れることがあります。このような症状が現れたときは、医師に相談してください。


アベマシクリブ製剤錠剤で1日2回、内分泌療法剤と併用します。パルボシクリブ製剤カプセルで1日1回服用し、3週間服用して1週間休薬を1サイクルとして使用します。


②この薬の成分に過敏症のある人、パルボシクリブ製剤妊婦または妊娠している可能性がある人は使用できません。また、重度の肝機能障害がある人は、使用できないことがあります。


③イトラコナゾール、クラリスロマイシンフェニトインリファンピシンと併用すると、薬の効果が増強したり、減弱されることがあります。アベマシクリブ製剤はグレープフルーツジュースと併用すると、薬の効果が増強することがあります。他の薬と併用するときは、医師に相談してください。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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