普及版 字通 「サイ・わざわい」の読み・字形・画数・意味
4画
[字訓] わざわい
[説文解字]
[甲骨文]
[字形] 会意
巛(さい)+一。水流の形と、一とに従う。卜文は水の横流する形で水災を示し、また(さい)(才の初形、表木の形である(こん)に(さい)を加えた形)を声符として加えることがある。はのち(さい)の字形の(さい)の十の字形として残されている。〔説文〕十一下に「(そこ)なふなり」と訓し、一は水を壅(ふさ)ぐ形であるとする。災の初文とされるが、災は火災。水災の字を火災にも及ぼしたもので、災はまた・に作る。卜辞に「來(わざは)ひ(な)きか」と卜する例が多く、道路の往来について用いる。のち災禍一般をいう。
[訓義]
1. 水のわざわい、水害、氾濫。
2. 通行の災い。
3. すべて禍害のことをいう、わざわい。
[声系]
〔説文〕に声として()を収め、また(さい)声に・など三字を収める。災はの古文の字形とされ、卜辞には・、〔周礼〕には、〔左伝〕をはじめ他の文献では災を用いる。は水災、・には天火など天災の意があり、災・は火災をいう。
[語系]
・災(・)tzは同声。また、(・)tzhiは同声の語。(さい)は初墾の田、また木の立ち枯れするをいう。その字はまたに作る。に種植の意があることからいえば、は焼畑農耕を示す字とみることができる。〔説文〕一下に「はさざるの田なり」とあるのは、その意であろう。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報