改訂新版 世界大百科事典 「さよひめのさうし」の意味・わかりやすい解説 さよひめのさうし (さよひめのそうし) 御伽(おとぎ)草子。さよひめは大和国壺坂の松浦(まつら)長者が長谷観音に祈ってもうけた申し子で,長者の死後,陸奥国安達の郡の“こんか”の大夫に身を売り,亡き父の供養をつとめて陸奥へ下り,いけにえとして大蛇に捧げられる。法華経提婆品の功徳で過去の罪障を晴らした大蛇は姫を頭に載せて大和国に送り届ける。姫は盲目となっていた母と再会し,如意宝珠の力で母の眼もいえ,再び長者として栄える。大蛇の本地は壺坂の観音,さよひめは竹生島の弁才天と現ずる。同系の作品に《つぼさか》《松浦長者》などがある。執筆者:宮田 和美 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by