さよひめのさうし(読み)さよひめのそうし

改訂新版 世界大百科事典 「さよひめのさうし」の意味・わかりやすい解説

さよひめのさうし (さよひめのそうし)

御伽(おとぎ)草子。さよひめは大和国壺坂の松浦まつら長者長谷観音に祈ってもうけた申し子で,長者の死後陸奥国安達の郡の“こんか”の大夫に身を売り,亡き父の供養をつとめて陸奥へ下り,いけにえとして大蛇に捧げられる。法華経提婆品の功徳で過去の罪障を晴らした大蛇は姫を頭に載せて大和国に送り届ける。姫は盲目となっていた母と再会し,如意宝珠の力で母の眼もいえ,再び長者として栄える。大蛇の本地は壺坂の観音,さよひめは竹生島の弁才天と現ずる。同系の作品に《つぼさか》《松浦長者》などがある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 宮田

1969年から続く英国の文学賞「ブッカー賞」の翻訳書部門で、他言語から英語に翻訳された優れた作品に贈られる。翻訳者の仕事を重視し、賞金5万ポンド(約970万円)は作家と翻訳者で折半される。2005年...

国際ブッカー賞の用語解説を読む