改訂新版 世界大百科事典 「サルトノ」の意味・わかりやすい解説
サルトノ
Sartono
生没年:1900-68
インドネシア民族主義運動の指導者,政治家。中部ジャワのウォノギリに生まれ,オランダに留学して1926年ライデン大学法学部を卒業。留学中から民族主義運動に加わり,インドネシア協会の書記をつとめたが,帰国後はスカルノと行動をともにし,27年のインドネシア国民党の結成に参加した。29年にスカルノが逮捕投獄されると,国民党の解散宣言を行って新たにインドネシア党を結成したが,以降,この解党主義を批判するシャフリル派との対立を深めた。31年末にスカルノが釈放されるとともに,スカルノをインドネシア党の党首に迎え入れ,自らはナンバー・ツーの立場を堅持した。日本軍政中はプートラ(民力結集運動)の組織部長,中央参議院議員をつとめ,独立後は新たに結成された国民党を率いるかたわら,国務大臣,国民協議会議長等を歴任して,実務家的手腕を発揮した。
執筆者:土屋 健治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報