世界遺産詳解 「サルーム-デルタ」の解説 サルームデルタ【サルーム-デルタ】 2011年に登録された世界遺産(文化遺産)。サルーム川など3つの川によって形作られた西アフリカ大西洋岸のセネガルにある5000km2もの面積の広大なデルタ地帯で、貝類も含めた漁業が人々の生活を支えてきた痕跡が残っている。このデルタ地帯には、200以上の島々、マングローブの森、太平洋の海洋環境や乾燥林、汽水域の水路などがある。また218の貝塚が発見されており、中には何世代にもわたって積み上げられた数百mにおよぶ貝塚もある。塚の形をした28の埋葬地は古墳と言える格調のあるもので、考古学的な価値の高い埋葬品も発掘されている。それらは、西アフリカ沿岸地域で人類がどのようなプロセスで定住に移行していったか、どのような生活を営んできたかを知るためにきわめて貴重なものであり、サルーム-デルタ地帯のさまざまな時代の文化を理解するための貴重な歴史的資料である。◇英名はSaloum Delta 出典 講談社世界遺産詳解について 情報