ウィーンの中心にあるオーストリアの代表的ゴシック式聖堂。創建は12世紀。1258年に火災で倒壊し、ロマネスク様式で再建されたが、その後、内陣(1304~40)、身廊(1359~1446)の順にゴシック様式に改築された。後期ロマネスク様式の正面(ファサード)は改築前のおもかげを今日に伝えるこの聖堂のもっとも古い部分であるが、その両わきにはゴシック式の小礼拝堂と多角形プランの双塔が配置されている。また側壁には片蓋(かたふた)柱と交互に、上下2層の狭間(はざま)飾りが水平に伸びて、その外観効果を際だてる。南側翼廊の高さ136メートルに達する鐘塔はミヒャエル・クナープの設計で1359~1433年に建立され、高さがほぼ半分の北側のそれはハンス・ザフォイの設計による1579年の施工である。三廊式の堂内には、身廊と側廊が同じ高さをもつ、いわゆるハルレンキルヘの形式が採用され、新しい星形のリブ穹窿(きゅうりゅう)が一目瞭然(りょうぜん)に見渡される。かつてモーツァルトの葬儀も行われたことがあり、第二次世界大戦でかなりの被害を受けたが、今日ではほとんど旧に復している。地下には、戦後の修復時に発見されたロマネスク期のバシリカ式遺構やカタコンベがあり、カタコンベにはハプスブルク家の歴代神聖ローマ皇帝の内臓を納めた壺(つぼ)が並んでいる。
[濱谷勝也]
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