日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンファール」の意味・わかりやすい解説
サンファール
さんふぁーる
Niki de Saint-Phalle
(1930―2002)
フランスの画家、造形家。ヌイイ生まれ。1933年以後ニューヨークに住み、1950年に初めて絵画の制作を始め、1952年にパリに移り住んだ。1956年、レリーフ(浮彫り)とアッサンブラージュを制作。1960年、初めて「射撃絵画」(銃で絵の具を撃ち込む)を試みる。1961年からスイスの造形作家ティンゲリーとハプニングやマニフェステーション(示威行為)を行い、またヌーボー・レアリスム運動のメンバーに加わる。1965年、多彩に着色したポリエステルによる豊満な女性像「ナナ・シリーズ」の制作をはじめる。1966年、ストックホルム近代美術館に内部を通り抜けられる巨大な張りぼての女性像『ホン(彼女)』を制作して話題となった。1971年、ティンゲリーと結婚(1991年死別)。1973年、最初の映画を製作。1979年からイタリアのトスカナ地方ガラビッチョで「タロット・ガーデン」と名づけた、タロット・カードをモチーフにした作品を配する彫刻公園計画に従事、1998年に完成した。1982年にはパリのポンピドー・センター横の広場にティンゲリーと噴水彫刻を共作した。また、1994年(平成6)には栃木県那須(なす)郡那須町にニキ美術館が開館した(2011年閉館)。
[野村太郎]
『松本路子写真、ピエール・レスタニー詩、白石かずこ訳『ニキ・ド・サンファール』(1986・PARCO出版局)』▽『『現代美術16 ニキ・ド・サンファール』(1994・講談社)』▽『ニキ美術館編『ニキ・ド・サンファル』(1997・彩樹社刊、星雲社発売)』▽『増田静江監修・文『ニキ・ド・サンファル』(1998・ニキ美術館刊、美術出版社発売)』