サンロレンツォ教会(読み)サンロレンツォキョウカイ

デジタル大辞泉 「サンロレンツォ教会」の意味・読み・例文・類語

サンロレンツォ‐きょうかい〔‐ケウクワイ〕【サンロレンツォ教会】

Basilica di San Lorenzo》イタリア中部、トスカーナ州の都市フィレンツェにある教会。4世紀末の創建でフィレンツェ最古の教会の一。11世紀にロマネスク様式で再建され、15世紀にブルネレスキにより改築されて現在の姿になった。メディチ家墓所としてブルネレスキが設計した旧聖具室、メディチ家代々が収集した蔵書を保管するラウレンツィアーナ図書館がある。また、メディチ家礼拝堂ミケランジェロ設計の新聖具室が教会裏手に位置する。

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世界の観光地名がわかる事典 「サンロレンツォ教会」の解説

サンロレンツォきょうかい【サンロレンツォ教会】

イタリア北部のフィレンツェ(Firenze、〈英〉Florence)にある、393年献堂の同市最古の教会。ルネサンス期にフィレンツェを拠点に隆盛を誇ったメディチ家ゆかりの教会でもある。ドゥオーモ(花の聖母教会)の北、メディチ家ゆかりのサンロレンツォ地区にある。現在残っている建物は、メディチ家の依頼でフィリッポ・ブルネレスキが設計したもので、1419~1442年にかけて建設された。ファザードは未完成のまま終わったが、このため典型的なイタリアルネサンス様式を今日まで伝えていて、ミケランジェロなど当時の巨匠などがその建設に参加した。主祭壇近くにある2つのブロンズ説教壇ドナテッロの作品で、左廊側の礼拝堂にはR.フィオレンティーノの「マリアの結婚」がある。教会内にあるラウレンツィアーナ図書館は、メディチ家出身の法王クレメンス7世が一族の蔵書を収蔵するために、ミケランジェロの設計により建設したものである

出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のサンロレンツォ教会の言及

【ブルネレスキ】より

…優雅な落着きをもつ半円形アーチ,正確な比例をもつコリント式オーダー,ペンデンティブ・ボールトなど古典建築を特徴づけていた典型的造形要素を,単なる細部の模倣に終始せず,所要建築物の構造的必然性と意匠的要求を理解したうえで合理的に用いた点で,一連の建築作品はルネサンス建築の輝かしい出発点となった。サン・ロレンツォ教会旧聖器室,パッツィ家礼拝堂によく示されるように,トスカナ地方特産の暗青灰色砂岩(ピエトラ・セレーナ)の構造部材と白いしっくい仕上壁とが好んで対比的に用いられ,建築の構造と骨格は内装意匠とのあいだに精妙な調和を保っている。この2作品は,いずれも頂塔付き円錐屋根でおおわれ,屋根裏にリブをもつ傘形ドームを架構するが,これは構造的にきわめて合理的な円蓋であった。…

【メディチ家】より

…15~18世紀にフィレンツェを中心に栄えたイタリアの財閥(図)。ルネサンス芸術の保護者の家系としても知られる。メディチ家繁栄の基礎を置いたのはジョバンニ・ディ・ビッチ・デ・メディチGiovanni di Bicci de’ Mediciで,彼は銀行を興し,教皇庁との商取引をてこにこれを一流に育てた。しかしメディチ家がフィレンツェに君臨するのは次のコジモ(C.de’メディチ)の代で,コジモはアビニョン,ロンドンなど国外に多くの支店を出し,政治状況を積極的に利用して莫大な富を築き,メディチ銀行はヨーロッパ屈指の大銀行に成長した。…

※「サンロレンツォ教会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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