日本大百科全書(ニッポニカ) 「サーランギ」の意味・わかりやすい解説
サーランギ
さーらんぎ
sarangi
インドのリュート型弓奏楽器。各地域で多少形が異なるが、北インドの古典声楽や舞踊の伴奏に用いるものが代表的。全長約60~66センチメートル、一木製で、幅広い棹(さお)、羊の皮を張った厚い胴をもつ。主要弦は4本で、3本はガット、1本は金属製。各弦を主音、完全5度上、上の主音に調律し、第4弦はラーガ(旋法)によって定める。主要弦の下には、金属製の共鳴弦を30~40本張る。弓は馬の毛を使用。通常、あぐらをかき、左ももに楽器を立て、上部を左肩にもたせかけるように構える。左手の爪(つめ)で弦を横に押すように押さえ、右手で弓奏する。同系の民俗楽器にチカラ、サランガなどがある。南インドではバイオリンにとってかわられた。
[柴田典子]