北アフリカからトルコ,イラン,中央アジア,パキスタン,インド,アフガニスタンまでイスラム文化圏で男女ともに着用するズボンをいう。胴回りが2~6mと広く,足首までをおおう長さをもつが,股下の短いのが特徴である。古代ペルシア時代からあるといわれ,預言者ムハンマドも着ていたとか,後のオスマン帝国のスルタンが女性の純潔を保つにふさわしいとしてすすめたなどの説がある。もとの形は横長の袋状で裾の両端に足首が出るだけの穴を開け,胴回りに通したひもを絞って着用した。その後,気候,風土の相違や各民族の間で形が変化し,多様なシャルワールが生まれた。股下が深く,襠(まち)がついて四角のものから三角形になり,西欧風のズボンに近づいたものもある。胴回りがゆるやかなので,床にすわったりロバに乗る時にも動きやすく機能的で,そのため何世紀もの間,兵士たちにも着用されていたという。寒い時には中に木の葉やぼろくずを詰めて暖かくした。上衣には七分丈のカミーズや,カフタンを着用する。素材は麻,木綿,薄手のウールで晴着には絹も使う。1970年代後半からパリ・モードにも取り上げられ,ハーレム・パンツなどとしてファッション化されている。
執筆者:松本 敏子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新