日本大百科全書(ニッポニカ) 「カフタン」の意味・わかりやすい解説
カフタン
かふたん
Julius Kaftan
(1848―1926)
ドイツのルター派神学者。9月30日シュレスウィヒ州アペンラーデ近郊のロイトに生まれる。1881年バーゼル大学正教授、1883年ベルリン大学教授。1919年以後、宗教局次長を兼任。1926年8月27日ベルリンにて没。リッチュル学派に属し、宗教哲学的傾向が濃い。キリスト教に対するカント哲学の意義を高く評価し、宗教を「人間精神の実践的な事柄」と定義し、キリストの歴史的啓示から、歴史的明証性と普遍妥当性を価値判断の形で証明することを試みた。ただし、神秘性と権威とを倫理性と結合しようとした限りでは、リッチュルを修正したといえよう。兄のテオドールTheodor Kaftan(1847―1932)も牧師かつプロテスタント神学者として知られる。
[森田雄三郎 2018年1月19日]