シュウォブ(その他表記)Marcel Schwob

改訂新版 世界大百科事典 「シュウォブ」の意味・わかりやすい解説

シュウォブ
Marcel Schwob
生没年:1867-1905

フランスの小説家。博覧強記で,諸外国語,古典語に通じ,中世文学研究家として《ビヨン論》を著す。一方,小説家としてはゾラ流の自然主義に反対して幻想的傾向の強い短編小説集《二重の心》(1891),《黄金仮面の王》(1892)を発表。文体は精緻で,中編小説《モネルの書》(1894)は散文詩とも呼べる傑作である。イギリス文学にも造詣が深く,シェークスピアの《ハムレット》,デフォーの《モル・フランダーズ》を仏訳。短命ながら,A.フランス,J.ルナール,R.deグールモン,P.クローデル,P.レオトーらの友人に恵まれ,彼らに隠然たる影響を与えた。歴史小説《小児十字軍》(1896)の一部は1913年上田敏により邦訳されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュウォブ」の意味・わかりやすい解説

シュウォブ
Schwob, Marcel

[生]1867.8.23. シャビル
[没]1905.2.12/26. パリ
フランスの作家,ジャーナリスト。博学多識で特に文学,歴史に造詣が深く,古典文学や中世の伝説からヒントを得て書いた短編,散文詩,英文学の翻訳などがある。短編集『二重の心』 Cœur double (1891) ,『黄金仮面王』 Le Roi au masque d'or (92) ,『少年十字軍』 La Croisade des enfants (96) など。

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