朝日日本歴史人物事典 「シュパンベルグ」の解説
シュパンベルグ
生年:生年不詳
18世紀のデンマーク生まれのロシアの航海者。1728年にアメリカとアジアを分かつ海峡の存在を調査したベーリングの第1次航海に参加。第2次ベーリング探検隊では日本への航路探索を委任され,3度にわたり千島列島および日本近海を航行した。日本に到達したのは4隻の船を率いた元文4(1739)年の第2回航海のときで,仙台領網地島沖で日本人と接触し,またワリトンの指揮する僚船は安房国天津村に乗組員を上陸させた。これらの船はわが国では「元文の黒船」として知られ,幕府は彼らの残した貨幣やトランプ札を長崎のオランダ商館に照会して「もすこうびや」の船であることが判明した。
(秋月俊幸)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報