シュパンベルグ(読み)Spanberg,Martin Petrovich

朝日日本歴史人物事典 「シュパンベルグ」の解説

シュパンベルグ

没年:1761(1761)
生年:生年不詳
18世紀のデンマーク生まれのロシア航海者。1728年にアメリカとアジアを分かつ海峡の存在を調査したベーリングの第1次航海に参加。第2次ベーリング探検隊では日本への航路探索を委任され,3度にわたり千島列島および日本近海を航行した。日本に到達したのは4隻の船を率いた元文4(1739)年の第2回航海のときで,仙台領網地島沖で日本人と接触し,またワリトンの指揮する僚船安房天津村乗組員を上陸させた。これらの船はわが国では「元文の黒船」として知られ,幕府は彼らの残した貨幣やトランプ札を長崎のオランダ商館に照会して「もすこうびや」の船であることが判明した。

(秋月俊幸)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「シュパンベルグ」の解説

シュパンベルグ Spanberg, Martin Petrovich

?-1761 ロシアの航海者。
ベーリングの海洋探検隊に参加。第2次探検では,日本への北方航路探索の責任者となる。元文4年(1739)4隻からなる艦隊指揮官としてオホーツクから南下し,陸奥(むつ)牡鹿(おじか)郡(宮城県)沖に来航,地元漁民,仙台藩役人と接触した。またワリトン指揮の僚船は安房(あわ)(千葉県)天津村に乗組員を上陸させ,元文の黒船とよばれた。デンマーク生まれ。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android