シラヲイ場所・アヨロ場所(読み)しらおいばしよ・あよろばしよ

日本歴史地名大系 の解説

シラヲイ場所・アヨロ場所
しらおいばしよ・あよろばしよ

シラヲイ場所は白老川流域を中心に設定された近世の場所(持場)名。天保郷帳に「シラヲイ持場之内 ヲモンベツ・メツプ・シキウ・ウヨロ・シラヲイ・シヤタイ」とみえるが、アヨロ川流域はアヨロ(アイロ)場所として独立して把握されていた時期もある。シラヲイ場所は西は「フシコヘツ」(現在の登別市と白老町の境の伏古別川)を境としてホロベツ場所、東は「ヘツヘツ川」(現在の苫小牧市と白老町の境をなす別々川)をもってユウフツ場所に接し、南は海に臨み、場所内の海岸線は五里二七町余であったが、かつての西境は「フシコヘツ」のやや東の「カムエシンタ」岬、東境は「ヘツヘツ川」のやや西の「シヤタイ川」で(場所境調書)、場所の領域が東西にやや拡張している。「津軽一統志」には「あいろ」「しきう」「しらおい」「しやたい」が蝦夷地の所付として列記され、いずれも「狄おとなオカツフ」の持分で(ただし「あいろ」には記載なし)、「しらおい」は松前藩士松井茂左衛門の商場、「しやたい」は同藩士宮崎市左衛門の商場と記される。一七〇〇年(元禄一三年)頃には「志羅於井」に鳥屋(鷹などの狩場)三ヵ所があり、松井半兵衛の支配地であった(支配所持名前帳)。享保十二年所附では「あよろ」は「ゑとも」(ヱトモ場所)に含まれており、「しらおひ」の地名として「しやたひ」(シャタイ)、「へち別」(ベツベツ)、「たるまへ」(タルマイ)、「まこまへ」(マコマイ)、「あか川」、「いふつ」(ユウフツ)が列挙され、「しちう」(シキウ)は単独の地名として記載されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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