日本大百科全書(ニッポニカ) 「シリケンイモリ」の意味・わかりやすい解説
シリケンイモリ
しりけんいもり / 尻剣井守
[学] Cynops pyrrhogaster ensicauda
両生綱有尾目イモリ科の動物。内地のアカハライモリ(日本ではイモリと通称される種)の亜種で、奄美(あまみ)諸島、沖縄諸島に分布する。低地の水田や山道に沿った溝に多い。全長10~14センチメートル。背面は黒褐色で、背中と背側部に計3本の赤い縦条をもつもの、灰色の地衣状斑(はん)をもつものなどがある。腹面は橙黄(とうこう)色で、小黒斑が散在する。産卵期は長く、12月から翌年の8月にわたる。水中でアカハライモリとよく似た繁殖行動を行ったのち、雌は単独で水草や枯れ葉の間に卵を1個ずつ産み付ける。
[倉本 満]