日本大百科全書(ニッポニカ) 「シルビアシジミ」の意味・わかりやすい解説
シルビアシジミ
しるびあしじみ
lesser grass blue
[学] Zizina otis
昆虫綱鱗翅(りんし)目シジミチョウ科に属するチョウ。日本では本州の関東地方以南の暖地(南西諸島を含む)に産するが、近似種ヤマトシジミに比べると発生地は局部的。国外では朝鮮半島南部、台湾、中国より西はインド、東はオーストラリアにかけて東洋熱帯に広く分布する。はねの開張20~27ミリメートル。普通に産する近似種のヤマトシジミとは、前ばねの裏面の中室内に黒点のないこと、後ろばね裏面の外側より3列目の黒点列が前より2番目の黒点が内方にずれるため、黒点の形成する円弧がここで分断される点で区別される。4月より晩秋の11月ころまで1年に数回発生。幼虫の食草はマメ科で、日本本土におけるおもな食草はミヤコグサ、南西諸島ではヤハズソウ、コメツブウマゴヤシなどが食草として知られる。幼虫の状態で越冬する。
[白水 隆]