メドハギ(読み)めどはぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メドハギ」の意味・わかりやすい解説

メドハギ
めどはぎ / 目処萩
[学] Lespedeza cuneata (Du Mont. d. Cours.) G.Don

マメ科(APG分類:マメ科)の多年草。茎は直立し、高さ0.5~1メートル、上部でよく分枝する。葉は3小葉からなり、小葉は倒披針(とうひしん)形で長さ1~2.5センチメートル、基部はくさび形。葉腋(ようえき)にごく短い花序をつくり、花を数個開く。花は真正花と閉鎖花の2型があり、真正花は蝶(ちょう)形で長さ5~7ミリメートル。旗弁は黄白色、基部は紫色を帯びる。閉鎖花は花弁雄しべともに退化する。果実はほぼ円形で長さ約3ミリメートル、茶褐色である。日本全土の日当りのよい草地、道端川原などに生え、広くアジアに分布する。近縁のハイメドハギは本種に似るが、茎、枝ともに地面をはい、花は紫みが強く、普通、翼弁や竜骨弁に紫斑(しはん)がある。名は、茎を筮(めどぎ)(占いに使う筮竹(ぜいちく))に用いたことによる。

秋山 忍 2019年11月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メドハギ」の意味・わかりやすい解説

メドハギ(目処萩)
メドハギ
Lespedeza cuneata

マメ科の多年草で,低木状になるものが多い。アジア東部からヒマラヤおよびオーストラリアまでの温帯から熱帯に広く分布する。日当りのよい原野,丘陵地や土手などに普通に生える。茎は直立し,多数分枝し毛が多く,縦に稜が走る。葉は短柄をもつ3出複葉で密に互生する。小葉は長さ1~2cm,幅2~5mmの倒披針形または線状楔形で,下面に毛がある。3本の葉脈が目立つ。夏から秋にかけて,葉腋に白色で小型の蝶形花をつける。萼は5深裂し,裂片は細長くとがり葉脈が1本だけある。花弁の基部には紫斑がある。豆果の莢は萼より長い。

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百科事典マイペディア 「メドハギ」の意味・わかりやすい解説

メドハギ

日本全土,東アジアの川原や原野にはえるマメ科の多年草。茎は硬く直立してよく分枝し,倒披針形で長さ7〜25mmの小葉3枚からなる葉を密につける。花期は8〜10月。花には2型あり,蝶(ちょう)形花は長さ6〜7mm,淡黄色で紅紫色の斑点があり,葉腋に数個開く。閉鎖花は長さ2mm内外で,長い豆果を結ぶ。ハギのような花穂はつくらない。

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世界大百科事典(旧版)内のメドハギの言及

【光合成】より

…光(ひかり)合成ともいう。植物が光のエネルギーを利用して二酸化炭素CO2と水H2Oから有機化合物を合成する過程。その反応は炭酸固定の代表的な例で,より一般的には,光のエネルギーを利用してCO2を還元する過程をいう。ファン・ニールvan NielはCO2+2H2A―→(CH2O)+2A+H2Oを光合成の一般式として提唱している(1929)。光合成細菌(緑色硫黄細菌,紅色硫黄細菌などの硫黄細菌,紅色無硫黄細菌)は,水素供与体として水ではなくH2S,H2S2O3,H2,有機化合物などを用いる。…

【ハギ(萩)】より

… キハギ(木萩)L.buergeri Miq.(イラスト)は名のように木本のハギで,花は淡黄色で一部紅紫色であり,いわゆるハギには含まれない。 メドハギ(目処萩)L.juncea (L.f.) Pers.var.subsessilis Miq.(イラスト)は草地,荒地,川原など低地でふつうにみられる多年草。晩夏から秋に咲く花は淡黄色で長さ6~7mm,葉腋(ようえき)に2~4個が集まってつき,ハギのように花穂をつくらない。…

※「メドハギ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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