ミヤコグサ(読み)みやこぐさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミヤコグサ」の意味・わかりやすい解説

ミヤコグサ
みやこぐさ / 都草
[学] Lotus corniculatus L. var. japonicus Regel

マメ科(APG分類:マメ科)の多年草。茎は叢生(そうせい)して地に倒伏するか斜めに立ち上がり、長さ5~40センチメートル。葉は狭倒卵形の5小葉からなり、葉軸の先端に3枚が掌状に、基部に2枚が托葉(たくよう)状につく。4~10月、葉腋(ようえき)に柄を出し、先端に1~4個の蝶形花(ちょうけいか)を散形につける。花は長さ約1.5センチメートルで、美しい鮮黄色を呈する。豆果(とうか)は細い円筒形で長さ約3センチメートル、熟すと2片に裂開し、10個ほどの小さな種子を飛ばす。北海道から沖縄にかけての海岸や道端に生え、朝鮮半島、中国、東部ヒマラヤに分布する。名は、昔この草が京都大仏の前の耳塚あたりに多かったことによるといわれる。また花の形が烏帽子(えぼし)に似ているので、エボシグサともよばれる。

[立石庸一 2019年11月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミヤコグサ」の意味・わかりやすい解説

ミヤコグサ(都草)
ミヤコグサ
Lotus corniculatus var. japonicus; bird's-foot trefoil

マメ科の多年草。コガネバナ,エボシグサともいう。日本各地をはじめアジア東部からヒマラヤに分布し,路傍草地河原などに普通に生える。北アメリカにも帰化して雑草となっている。茎は緑色で叢生し,直立するか地上をはう。葉は小型で柄のある3出複葉で,小葉は倒卵形全縁で長さ 1cm前後,葉柄の基部に小葉と同大の1対の托葉がある。春から夏に,葉腋から次々と花柄を出し,鮮黄色の小さな蝶形花を1~3個ずつつける。果実線形の莢で熟するとねじれる。

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