ジェンダー医学(読み)じぇんだーいがく(その他表記)gender‐specific medicine

知恵蔵 「ジェンダー医学」の解説

ジェンダー医学

ジェンダー医学定義は、まだ定まっていない。狭義には男女性器を主とした疾患、男性・女性特有の疾患、性同一性障害などについての医学を指し、広義には、さらに社会医学的な女性保健(women's health)問題までも包含している。ジェンダーという言葉は、元来、社会・文化面での男女の性差を意味し、それまでの男性優位の社会から、男女平等の社会に改革することを目的とするフェミニズム運動の中で、ピル(低用量ピル)や人工妊娠中絶などの医学・医療に関する問題も大きく取り上げられてきた。ジェンダーを意識させる原因の1つに、生物学的・医学的側面での性差が挙げられる。これまで産婦人科を除いて、男女差を意識することなく、診断、予防、治療が行われてきた。しかし、最近では、すべての診療科でジェンダーが重要な問題であると認識されるようになってきている。そのような事情から、ジェンダー医学という言葉も生まれてきた。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む