母体保護法では、身体的、経済的理由で妊娠の継続が母体の健康を著しく害する恐れがある場合や、暴行脅迫を受けて妊娠した際にすることができるとされる。妊娠22週未満に実施される。妊娠早期では金属製の器具でかき出す「
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(安達知子 愛育病院産婦人科部長 / 2007年)
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… 医師による人工死産には母体保護法に基づくものと基づかないものがある。前者は,胎児が母体外において生命を保持しつづけることができない時期に,医師会の指定する医師によって,(1)妊娠の持続または分娩が身体的・経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるとき,(2)暴行や抗拒不能状態で姦淫されて妊娠したときに行われる人工妊娠中絶である(母体保護法14条)。後者は,これら以外の理由で母体を疾病から救うために行われる人工妊娠中絶である。…
… 日本の刑法で堕胎罪を規定したのは,1880年公布の旧刑法330条以下以来であるが,現行刑法(1907公布)がこれを継承した背後には,富国強兵という国家目的の基礎として人的資源を確保するという政策的配慮があったものと思われる。しかし,第2次大戦に敗北した後には,反対に,食糧不足と人口過剰のなかで,1948年に優生保護法(1996年に〈母体保護法〉と改称)が制定され,一定の場合に人工妊娠中絶が合法化されることとなった。同法によれば,医学的,社会経済的,倫理的適応がある場合には,胎児が母体外において生命を保続することのできない時期に限り,妊婦および配偶者の同意のもとで指定医によって行われる人工妊娠中絶を合法としている。…
…妊娠は最終月経第1日から起算しておよそ280日(40週)で分娩に移行するのが正常であるが,その途中の時期になんらかの原因で胎児およびその付属物が母体外に排出されることをいう。妊娠中絶には,自然に分娩に至る自然妊娠中絶と,人工的に分娩に至らしめる人工妊娠中絶とがある。妊娠中絶の時期が妊娠24週未満の場合は流産といい,37週未満から24週以上の場合は早産といっている。…
※「人工妊娠中絶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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