ジョバンニディパオロ(英語表記)Giovanni di Paolo

改訂新版 世界大百科事典 「ジョバンニディパオロ」の意味・わかりやすい解説

ジョバンニ・ディ・パオロ
Giovanni di Paolo
生没年:1403ころ-82

イタリア画家シエナ生れ。全活動期間を生地で過ごす。タッデオ・ディ・バルトロTaddeo di Bartolo,ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ,サセッタらの国際ゴシック様式の画家たちから影響を受けながら,優雅さをたたえ,幻想性,装飾性の濃い作風をつくり上げた。〈洗礼者ヨハネ伝〉連作(1453-54ころ)は,その細やかな描線,激しいコントラストをなす色彩,現実の詩的解釈ゆえに,表現主義ないしはシュルレアリスムの世界を想起させる。近年特に評価が高まり,サセッタとならんで15世紀シエナ派の指導的画家とされる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョバンニディパオロ」の意味・わかりやすい解説

ジョバンニ・ディ・パオロ
Giovanni di Paolo

[生]1403頃.シエナ
[没]1482. シエナ
イタリアの画家。サッセッタとともに 15世紀のシエナ派を代表する画家。おそらくタッデオ・ディ・バルトロの弟子画風はサッセッタおよびジェンティーレ・ダ・ファブリアーノの影響を受けて詩情に富み,ルネサンス的要素も取り入れて独特の様式を展開。作品は『磔刑図』(1440,シエナ国立絵画館),『洗礼者ヨハネ伝』(1455~60,シカゴ美術館),『最後の審判』(1460~65,シエナ国立絵画館)など。

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世界大百科事典(旧版)内のジョバンニディパオロの言及

【シエナ派】より

…シモーネにつづいてメンミLippo Memmi(1317‐46活動),ロレンツェッティ兄弟(ピエトロおよびアンブロージョ)が現れ,ピエトロはよりドラマティックな表現を得意とし,逆にアンブロージョの華やかな色彩と繊細な感覚とが,14世紀末から開花する国際ゴシック様式への道を準備する。15世紀のシエナ派は前世紀ほどの隆盛と影響力を見せなかったが,のちにフィレンツェで活躍するL.モナコは敬虔で魅力ある宗教画を描き,サセッタ,ジョバンニ・ディ・パオロ,サーノ・ディ・ピエトロSano di Pietro(1406‐81)らは流行の国際ゴシック様式に,シュルレアリスムを想起させる幻想的な雰囲気を添えた。16世紀初頭には,ロンバルディア出身のソドマがシエナに定住し,レオナルド・ダ・ビンチ風の様式を紹介する一方,盛期ルネサンスからマニエリスムへの過渡期を示す作品を残した。…

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