改訂新版 世界大百科事典 「スコットランド信仰告白」の意味・わかりやすい解説
スコットランド信仰告白 (スコットランドしんこうこくはく)
Scottish Confession
長老主義に立つスコットランド教会が制定した最初の信仰告白。J.ノックスらによって25ヵ条にまとめられ,1560年8月,スコットランド議会によって承認された。厳格なカルバン主義に基づき,聖書の絶対的権威,信仰義認,選びの教義を強調し,真の教会のしるしとして,神の言葉の説教,聖礼典の正しい執行,教会訓練の堅持を主張している。誤った信仰と慣行を教会から排除することは,神の代理人である世俗の権威者の義務とされているが,教職制については言及されていない。1646年,より体系的な〈ウェストミンスター信仰告白〉が制定されるまで,長老主義の基本的立場を表明するものとして,イングランドのピューリタンにも大きな影響を及ぼした。
執筆者:八代 崇
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報