日本大百科全書(ニッポニカ) 「すじ雲」の意味・わかりやすい解説
すじ雲
すじぐも
cloud streaks
冬季、日本海側に大雪をもたらすとき海上に現れるすじ状の雲。気象衛星の画像やレーダーで見ると、典型的なすじ雲は、幅10~数十キロメートルで、数本が北西の季節風に沿ってほぼ平行に走っている。雲の走行に直角な鉛直断面内では、中央の強い上昇流が上部で左右に分かれ、隣の雲との間で下降流となっている。このためロール状対流雲ともよばれる。
雪雲ともよばれ、寒冷なシベリア気団が北西の季節風となって日本海を渡るうちに、暖かい海面から熱と水蒸気を補給され、対流によって積雲や雄大積雲の列となって並ぶ。これらが北海道から北陸までの日本海側地域に雪を降らせる。
[小林禎作・前野紀一]
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