精選版 日本国語大辞典 「雲」の意味・読み・例文・類語
くも【雲】
うん【雲】
くむ【雲】
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微細な水滴(雲粒)または氷の結晶(氷晶)が集まって空気中に浮かんでいる状態をいう。ふつう平均の雲粒(または氷晶)の大きさは半径数μmから10μm程度であり,これらの落下速度は非常に小さいので,上昇気流のある空気中ではほとんど浮いている。なお,地球以外の惑星でも雲の存在が知られている。
大気中で雲粒ができるためには種々の段階を経なければならない。雲粒は大気中の水蒸気が凝結して水滴となるか,昇華して氷晶となったものである。凝結が起こるためには凝結核(凝結の心)が必要である。水蒸気はいくら多く集まってもそれだけでは容易に水滴にはなりにくいが,凝結核があると容易に凝結が起こり,水蒸気が多く集まってきて水滴が形成される。また同様の理由で,0℃以下で水蒸気が多く集まっても氷晶はできないが,氷晶核(氷晶の心)があると容易に昇華が行われ氷晶をつくる。
雲の凝結核として重要なものは,海水のしぶきが乾燥してできた海塩の粒子や工場などから排出される微粒子や土壌物質などであるが,これらは大気中に十分に存在する。氷晶核として重要なものは鉱物質(黄砂,火山灰,粘土など)であるが,これらも1l中にふつう0.1個程度は存在する。
次に,大気中の水蒸気が凝結,昇華し,雲粒や氷晶ができるためには,それぞれ飽和状態から過飽和状態を経なければならない。大気が含むことのできる水蒸気の量は気温が高いほど多い。もし水蒸気を含む大気が冷却されると,気温によって決まる飽和状態に達し,なお冷却されると余分な水蒸気を含む状態(過飽和状態)となる。この状態は不安定なため,余分な水蒸気は凝結核や氷晶核の上に凝結や昇華を起こして水滴や氷晶となる。
大気の冷却は一般に大気の上昇によって起こる。すなわち,(1)下層の暖かい空気の上に上層の冷たい空気がくると上下方向に不安定となって起こる対流上昇,(2)山などの地形に気流がぶつかって起こる地形上昇,(3)暖かい空気と冷たい空気が接触した前面にそって暖かい空気が昇ってゆくか,暖かい空気が冷たい空気の下にもぐりこむような前線付近の空気の上昇,などである。こうした場合,空気は断熱上昇による変化(断熱冷却)を起こし,乾燥した空気では100mにつき1℃,湿った空気では約0.6℃気温は下がる。このために水蒸気は飽和状態を経てついには過飽和状態になる。その過飽和の度合は飽和状態を100%とすると,ふつうわずか1%以下でしかないが,水蒸気は凝結核(または氷晶核)を心として容易に微水滴(または氷晶)をつくる。
なお,地面付近で,暖かい気塊と冷たい気塊の混合,または地面の放射冷却などで空気が冷えるときなどに発生したものは霧と呼ばれる。
雲粒の大きさや濃度(1cm3中の個数)は雲の種類や成長段階によって違うが,たとえば小さい大陸性の積雲では大部分の雲粒は半径5μmで200~300個/cm3程度,積乱雲中では10μmで100個/cm3程度である。急速にできた雲中では粒の大きさの程度(粒度分布)はそろっているが,比較的ゆっくりできた雲中においては大小の雲粒がまじって幅広い程度分布となっている(図1,2)。
雲粒が落下するときの速度は,落下の初めはしだいに増加するが,最終的には空気の抵抗とつりあい,一定の速度(終端落下速度)となる。終端落下速度は半径5μmで0.3cm/s,10μmで1.2cm/s,20μmで4.7cm/sである。氷晶の終端落下速度は氷晶の形で大幅に違い,たとえば直径1.53mmの針状結晶で50cm/s,3.26mmの平面樹枝状結晶で31cm/s,2.45mmの雲粒付き結晶で100cm/s,2.13mmのあられで180cm/sである。
一定体積中(1m3 中)の雲粒の総量を雲水(くもみず)量という。これは層雲や高層雲などでは小さく0.05~0.5g/m3 程度,小さい大陸性の積雲内で0.3~0.4g/m3 程度,積乱雲中で1~3g/m3 程度である。この量が大きいと雨滴の形成の速度が大きくなり,降雨の開始と密接な関係がある。
雲の形を雲形といい,おもに形態的特徴から世界気象機関(WMO)の《国際雲図帳》では類,種,変種と細分している。このうち類には10種あり,一般にこの基本形を10種雲形(雲級)と呼んでいる表。
雲には,その発生する高さがほぼ定まっている層状雲と,高さの定まらない対流雲がある。前者は上層の雲,中層の雲,下層の雲に分類される。後者には積雲,積乱雲などがある。雲のうちに発生する高さがほぼ定まっているものがあるのは次の理由によると考えられる。雲の生成には大気の上昇による断熱膨張とそれに伴う冷却が必要である。しかし,凝結核の種類と濃度,そして水分と上昇流の速度によってできかたが違う。すなわち,下層では大きな吸湿性の凝結核が多く水分も多いので,雲水量の大きい下層の雲ができる。しかし,空気がそれ以上に上昇するとき,凝結核は小さく,濃度も小さいし,水分も比較的少ないため,そう簡単に大気は飽和しない。そのためふつう,ある程度高くならないと雲はできない。この高さは中層の雲の高さである。同じような理由で上層の雲ができる。したがって対流圏中ではだいたい三つの層に分かれて雲ができる。もちろん濃い雲の場合(高層雲,乱層雲など)のときは異なった層の雲と連続することがある。対流雲ではその中で混合が激しく,各層を貫いて存在する。
(1)層状雲 (a)上層の雲 対流圏の上層に現れる雲で,ほとんど氷晶によってできている。低気圧などがくるとき,地上から見ているとまず上層の雲,次いで中層の雲というように現れてくるので,天気の悪くなる目安ともなる。絹(巻)雲は昔は〈霊之雲〉とも呼ばれていたが,細い絹状などの構造をもち,絹(巻)積雲はよくまだら状を示し,絹(巻)層雲は一様な層状構造でよく日暈,月暈をかぶる。これらの雲はジェット気流の南側に広範囲に現れることを気象衛星が報じている。(b)中層の雲 高積雲,高層雲,乱層雲は対流圏の中層にできる雲(多くは水滴の雲で,上層に氷晶を含むことがある)で,この中層では上昇流も比較的活発なので,上層の雲と構造が異なっている。高積雲は絹積雲の塊より数倍大きい団塊状をなし,秋などの晴れたときに現れる比較的安定した雲である。高層雲は灰色に一様に広がっていて,上層は一部氷晶からできており,低気圧の近接しているときに現れる。底面から尾流が下がってきて下層の雲を刺激することがあり,シーダー(雨の刺激源)ともなる。(c)下層の雲 層積雲は団塊状や波状の構造の白色または灰色の雲で,積雲や積乱雲が広がってできることがある。また中層から降雨を刺激するシーダーとしての尾流が下がってくるとき,フィーダー(降雨の供給源)としての水分を補給する。すなわち,降れば層積雲または乱層雲により十分補給される。層雲は大気の下層でできる一様な灰色の,水滴からできた雲であるが,地面に近い高さでゆっくりした上昇流(前線や障害物による強制上昇)のとき発生する。したがって山にできる雲は層雲が多いし,海霧も層雲の下がってきたものであることがある。層雲は比較的薄いが,霧雨が降ることもある。乱層雲は全天を暗灰色におおい,ふつう雨や雪を伴っている。これは高層雲が厚くなって下層まで広がってきたときに起こる。また積乱雲が広がってきたときにも発生する。
(2)対流雲 積雲,積乱雲は大気が不安定なとき,上下の対流が激しくなってきて下層の湿った空気の急速な断熱上昇によって発生したものである。全体は鉛直にキャベツ形またはドーム状をしており,おもに水滴からできている。ときにしゅう雨を伴う。積乱雲はかなとこ雲,または入道雲ともいい,積雲の発達したものである。そして鉛直にドーム状またはかなとこ状に発達し,ときに成層圏までのびる。また上部は氷晶からなっており,しゅう雨,しゅう雪,そして雷やひょうを伴う。さらに竜巻,下降突風などを伴うこともある。積乱雲と乱層雲などが重なると,ときに持続する集中豪雨,集中豪雪が発生する。
雲の観測には以下にあげるようなものが行われる。
(1)雲量 全天に対し雲におおわれた部分の量を雲量と呼ぶ。雲量は肉眼で観測するほか,全天カメラ(半球状の反射鏡による雲の像を撮影するカメラ)で撮影して観測する。また近年,人工衛星により雲量を測定することも可能となった。雲量は太陽放射の量と地表の熱の収支を調べ,気候の変化を考えるうえに重要である。気象観測では雲量0~1を快晴,2~8を晴,9~10を曇といっている。
(2)雲頂と雲底 雲の最頂部(雲頂)の高さを雲頂高度という。現在では人工衛星により測定されている。雲頂付近が氷晶でできているか,また雲頂の一部が急に上昇しているかなどを知ることにより,雲中で降水が起こっているか否かの目安をたてることができる。雲の底面(雲底)の高度を雲底高度(シーリング)と呼ぶ。雲底高度は航空機の発着上重要なので,飛行場ではシーロメーター(地上から光を雲にあて,その反射光で雲底を測定する)やシーリングバルーンが使用される。
(3)雲形 雲形は前述の分類に従い地上から肉眼で観測される。
(4)雲の運動 雲の進行してくる方向を雲の向きといい,北から45度ごとに区切った8方位で表す。また雲の速さは緩,中,急の3階級に分けて表す。雲の運動は上層の風や気流の変化を知るうえで大切であり,地上から観測するほか,近年は人工衛星によって観測されている。
(5)凝結核と氷晶核 凝結核数の測定には一般に熱拡散箱が利用される。これは湿った箱の上部を暖めて下部を冷やし,箱の内部を過飽和状態にして凝結核より雲粒をつくり観測する方法である。氷晶核は,冷却箱を用い,冷えた砂糖溶液内で氷晶を成長落下させて観測するなどの方法で測定される。
(6)雲粒と氷晶 雲粒は酸化マグネシウム膜につけるなどして直接観測するほか,ミリ波レーダーや光冠の状況などによって間接的に測定される。氷晶はプラスチックフィルムに氷晶をぶつけてその形を測定するレプリカ法などによって測定される。
(7)雲水量 雲水量は,ろ紙に水により変色する薬品(ウォーターブルー)をしみ込ませ,これに雲粒を衝突させて変化した痕跡から測定したり,熱線型雲水計で雲水を水に直接変えて測定するなど直接的な方法によって,あるいは雲粒の大きさとその濃度を測定することによって間接的に測定される。
(8)濃度 雲の濃度はミリ波レーダーにより,あるいは,一定の光が雲の中で見えなくなる距離を観測することなどから測定される。
従来,雲の測定は地上からの肉眼による観測に限られていたが,第2次大戦後半よりしだいに気象レーダーが使用されるようになり,近年は気象衛星によって宇宙から広域の雲の量や性質を把握できるようになっている。
気象衛星は宇宙から大気を観察するものであるが,たとえば日本の気象衛星〈ひまわり〉を例にとると,二つの波長域の光を観察している。すなわち,可視光線と赤外線である。気象衛星のデータからは雲写真を得るほか,温度が測定できる。黒体から放射される光の波長と放射エネルギーは温度によって決まる(プランクの放射則)が,厚い雲からの光(放射)はほぼ黒体からの放射と状態が似ているので,衛星で観察した光を黒体放射の場合と比較することで雲頂温度が算出できる。これにより雲頂高度を推定できる。また気象衛星のデータによる雲頂高度とゾンデ観測のデータとを比較してみると,ゾンデの方はより精密にわかるので衛星のデータのチェックに使われる。将来マイクロ波を発射する気象衛星を日本でも打ち上げる計画があるが,これによると雲中の雲水量の多いところや降水域を検知できる。現在の〈ひまわり〉やNOAA(ノア)などの気象衛星では,雲の中で降雨があるか否かは明確にはわからない。ただ赤外線により雲の高度が,可視光線により雲の密度がわかるので,だいたい降雨域の推定はつく。
衛星から雲を観察すると雲のパターン(型)の変化が見事にわかる。バンド状,回転渦状,波状,縞状など多くの雲の状態が観察される。とくに台風のときの巨大なスパイラルバンド雲,集中豪雨のときの停滞した背の高い雲,集中豪雪に関係する主風向に直角に並ぶトランスバーサルの雲など,最近では多くの研究結果が発表されている。雲の動きを刻々とらえて風ベクトルを計測し,雲の移動速度分布を広範囲に知ることもできる。また,台風の進路予想のうえで,衛星による台風中心(雲の渦の中心)の追跡,進行方向の低気圧との相互作用など衛星の役割は大変大きい。そのほか,極軌道衛星を利用して大気の鉛直方向の気温分布などを測定することもでき,大気構造と雲の発達の研究は最近著しく進歩してきた。さらに,先に述べたように衛星による雲の量と地上および上層の日射,放射量の対比にも着々と研究がのびている。もちろん,雲と前線の対応,地上天気との対比は天気予報上,重要な仕事になっている。
気象観測用レーダーにはふつう波長5.7cmの電波を用いる。これにより雲中の大雲粒や雨滴を検知し,反射波(エコー)としてとらえることができる。すなわちDを大雲粒の直径,Nを単位体積中の雲粒数とすると,エコーの強さはΣND6となる。レーダーでは層状の雲は一様なエコーとして,対流雲はふつう比較的はっきりした点状のエコーとして検知する。また,雲粒自体はふつうのレーダーでは検知できないが,波長がミリ単位のミリ波レーダーを使用すれば雲の鉛直断面を見ることもできる。レーダーと気象衛星を組み合わせると,雲粒→大雲粒→雨滴の過程がかなりわかる。たとえば低気圧が近よってきて雨がしだいに降りだす過程などをとらえうる。
雲はふつう+と-の電気を,比較的少量であるがほぼ等量に帯びている。しかし,対流雲中では+と-の電気分離がもっと激しく行われ,この中で生成されるひょうや雪片は-の電荷を,まわりの空気は+の電荷を帯びていることが多い。雷雲中では雨滴の分裂,過冷却水滴と氷粒との衝突,氷粒どうしの衝突などで+と-の分離が大量に行われ,雲中の部分に蓄積される。それが,相互にまた地面に放電するのが雷放電(雷)である。
また地表で電場の強さを観測していると,雷雲の近くにあるときはもちろん,少し厚い雲が近くにきても電場は変動する。一見おだやかに見える雲でもその内部では電気的にも活発な変化がある。
なお,雨との関連については〈雨〉の項目を,地球の熱収支に与える影響については〈大気放射〉の項目を参照されたい。
北欧神話によれば,太古に神々の王オーディンが,弟のビリとベーの2神と協力して巨人ユミルを殺し,その死骸から宇宙を創造したときに,雲はこの〈世界巨人〉の脳髄から造られた。
ギリシア神話では,雲は,最高神ゼウスが持つアイギスという山羊皮の楯によって,自在に集められたり散らされたりする。この〈雲楯〉をゼウスは,彼より前に世界を支配していた神々のティタンたちと戦ったときに,自分がその乳で養われた牝山羊アマルテイアの皮を剝いで造ったといわれる。ゼウスはまたあるとき,彼の妃のヘラに,ゼウスによって天上に住むことを許されていた英雄のイクシオンが恋慕し,人間の身で非道にも神々の女王を犯そうとすると,雲でヘラとそっくりの姿を造り,イクシオンにこの雲ネフェレNephelēを抱かせた。そして妊娠したネフェレから生まれたのが,上半身が人間で下半身が馬の好色で乱暴な怪物ケンタウロスたちであるという。雲女のネフェレは,後に人間の王アタマスと結婚し,フリクソスという息子とヘレという娘を産んだが,アタマスはそのあとでネフェレを離別しテーバイの王カドモスの娘イオを妃に迎えた。しかし自分の産んだ子どもたちがイオに迫害され殺されそうになると,ネフェレはゼウスから空を飛ぶ金の毛の牡羊を与えられ,フリクソスとヘレをそれに乗せて故国から脱出させた。空を飛んで行く途中でヘレは,彼女にちなんでヘレスポントスと呼ばれることになるダーダネルス海峡に落下して溺死したが,フリクソスは無事に黒海の東端にあった国コルキスに着き,そこで牡羊をゼウスに捧げ,金毛の羊皮は剝いでその国の王アイエテスに贈った。後にそれをギリシアに取り戻す目的でアルゴ船の遠征が(アルゴナウタイ伝説)おこなわれるこの〈金の羊毛皮(金羊毛)〉には,雲と結びついた王権のしるしであるという点で,アイギスと共通した意味が認められる。
北アメリカの原住民のプエブロ族は,雲を死者の霊とみなして〈雲の人々〉シワンナと呼び,神話の中で活躍するカチナと呼ばれる祖先たちとも同一視している。
執筆者:吉田 敦彦 インドネシアのティモール島のアトニ族の社会では,雨季の訪れがおそいときには一匹の黒い色の動物を供犠してきた。黒い雲が必要だから黒い動物を捧げるのだという。アフリカのサンにとって黒い雲は雨をもたらすから吉兆と考えられている。
鹿児島県大島郡徳之島においては,人々は正月元旦早朝に起きて,未明の空が明るくなると空をぐるりと見渡して雲のあるところを探し,雲が多く黒雲の出ている方位をその年の恵方とした。この恵方が定まると一家の主人はその方位にある泉に若水をくみにおもむく。かくて雲をもって恵方定めとするほどに島人にとって雨水は稲作のみならず飲水として貴重であり,水を粗末にすると水神のたたりでハブ(毒蛇)の災難にあうとされてきている。
→雨乞い →雨 →雷
執筆者:倉田 勇
前423年にアテナイのディオニュシア祭において上演されたアリストファネス作の喜劇。家族の浪費のため借金に苦しんでいるアッティカ郊外の農夫ストレプシアデスは,この借金を返さずに済むようにと,〈負け目の議論を勝たせる法〉を伝授するとのうわさがあるソクラテスの学校へ入学する。自身で術を会得することを断念した彼は,息子に術を得させるが,息子は借金を言いくるめて帳消しにする議論とともに,子が親をなぐっても良い論理をも習得してきてこれを実行。あてがはずれ怒ったストレプシアデスは,ソクラテスの学校に放火して幕となる。構成上,アリストファネスの初期喜劇の中では変わった点が多く,そのためか,上演審査員は3等すなわち出品されたもののうちでは最低,との評価を下した。
執筆者:安西 真
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
大気中に、微小な液滴または固体の粒が群をなして浮かんでいるもの。惑星大気中には、さまざまな物質からできた雲が生じる。地球大気の場合は、おもに対流圏の中で、空気中に含まれる水蒸気が水滴または氷晶に変化し、いろいろな形の雲が生じる。雲底(雲の底面)が地表面に接しているときは、雲といわずに霧という。しかし、山頂の霧(登山用語ではガスという)は、遠くから見ると雲に見えるから、両者の区別が明確にできない場合もある。
[木村龍治]
紀元前200年ころ、古代ギリシアのテオフラテスが雲形についての記録を残しているが、それ以後2000年間にわたって、雲形に関する文献はみいだされていない。18世紀末にドイツのマンハイムで作制された『気象観測の指針』には、雲量を7階級で観測し、雲形の特徴を記録することが述べられている。しかし、雲形を分類するまでに至らなかった。
初めて雲形を分類したのはフランスの自然科学者ラマルクである。彼は生物の進化論で有名であるが、1802年に『雲形について』という論文を発表し、雲形を五つの基本形に分類した。05年には分類を発展させて12種としたが、広く一般に採用されることはなかった。今日の10種雲級の基礎は、ラマルクと同時期に提案されたイギリスの気象学者L・ハワードによる。彼は、巻雲(けんうん)、積雲、層雲を雲の基本形とし、これらの中間の形態をもつ雲、および基本形が混合した形態をもつ雲(雨雲)を考えた。この考え方はヨーロッパに広まり、1870年に高積雲、1879年に積乱雲せきらんうんが区別された。当時は、雲が何でできているかよくわかっていなかった。微小な気泡であるという説が広く信じられていたようである。
また、雲形は、地方や国によって異なると考えられていた。スウェーデンの気象学者ヒルデブランドソンは各国を旅行して、雲形がどこでも同じであることを確かめ、当時実用化された写真を利用して雲形図を作成した(1879)。1887年には、彼はイギリスの気象学者アーバークロンビーと共同で、現在用いられている10種雲級の基本形を提案した。1891年ドイツのミュンヘンで、また1894年スウェーデンのウプサラで開かれた国際気象会議で、雲の分類を世界的に統一することが議題になり、国際雲級図が作成された。現在の雲形分類の基準は1956年に世界気象機関(WMO)から発行された国際雲級図である。
[木村龍治]
国際雲級図は雲の基本形を10種に分類してあるので、10種雲級(または10種雲形)とよばれる。まず、10種の基本形を類generaとし、それぞれの類に数種類の種species、変種varieties、補足的な特徴および付随雲を定める。基本雲形の定義は次のとおりである。
(1)巻雲cirrus 記号Ci。白く細い繊維状、もしくは白く細い帯状の雲であり、一つ一つが離れ離れになっている。繊維(毛髪)、または絹の光沢、またはその両方の感じを与える。
(2)巻積雲cirrocumulus 記号Cc。粒状またはさざ波状の非常に小さい要素からなる薄い影のない雲。全体の形は空高く水平に広がる層状。その中の模様は比較的規則的に配列され、くっつき合っているときも離れていることもある。配列の間隔は1度(腕を伸ばしたときの小指の幅の程度)以内である。
(3)巻層雲cirrostratus 記号Cs。透き通った感じの白っぽいベール状の雲であり、全天または空の一部を覆う。繊維(毛髪)状の感じ、または滑らかな感じを与える。ハローhalo(暈(かさ))を生じることが多い。
(4)高積雲altocumulus 記号Ac。白または灰色、あるいは白と灰色の混ざった層状の雲であり、部分的にけば立った、まるい塊またはロールの規則的な配列が見られる。配列の間隔は1度から5度(腕を伸ばしたときの指3本の幅)の間である。
(5)高層雲altostratus 記号As。灰色または青みがかった層状の雲であり、筋が見えることも、全体が均一に見えることもある。薄い部分では、太陽が、曇りガラスを透かして見るように、ぼんやり見える。ハロー(暈(かさ))は生じない。
(6)乱層雲nimbostratus 記号Ns。持続的に雨や雪を降らせる灰色の暗い雲であり、乱層雲の雲底、または雲底の下には、紙をちぎったような不規則な下層雲があることが多い。乱層雲を通して太陽は見えない。
(7)層積雲stratocumulus 記号Sc。灰色または白っぽい層状の雲であり、モザイク、まるい塊、ロール状などの暗い部分がある。その配列は規則的で、各要素が離れているときもあるし、くっついていることもある。間隔の幅は5度程度である。
(8)層雲stratus 記号St。雲底が平らな灰色の雲であり、霧雨、細氷、雪を降らせる。薄い層雲を通して、太陽の輪郭がはっきりわかる。気温が非常に低い場合を除いて、ハローは見えない。層雲はときどき不規則なまだら模様になることがある。
(9)積雲cumulus 記号Cu。一つ一つが離れ離れになった雲であり、濃く、はっきりした輪郭をもつ。ドーム状または塔状の形で上方に発達していく。上部はカリフラワーのような形になる。日射を受けた部分は白く輝いているが、雲底は比較的暗く、平らである。ときどき積雲は不規則な形になる。
(10)積乱雲cumulonimbus 記号Cb。 山か巨大な塔のように、鉛直方向に発達した濃い雲。少なくとも上部の一部分は平らかつ滑らかであり、繊維状になっている。この部分はしばしば鉄床(かなとこ)か巨大な煙のように広がっている。雲底は暗く、不規則に乱れた雲が雲底、または雲底の下に存在する。尾流(びりゅう)雲(雨足)が見られることもある。
基本雲形の記号だけでは、雲形が十分表現できないので、種、変種、補足形、付随雲の記号を基本雲形の後ろに添える場合がある。種、変種、補足形は形状から決められており、特徴のある雲、話題の多い雲をそのなかから拾ってみると次のようなものがある。航空機の排気ガスを核にして生ずる飛行機雲、肋骨(ろっこつ)雲、雨しらすともよばれるかぎ状巻雲、蜂(はち)の巣状巻積雲、二重高積雲、また強風と地形との影響で生ずるレンズ雲や笠(かさ)雲とつるし雲、降水に関連する尾流雲および降水雲と乳房(ちぶさ)雲、夏にみられる積乱雲になる前の塔状積雲や雄大積雲、また、山岳地帯の地形によって生ずる滝雲や旗雲およびベール雲や棚雲などが知られる。
[木村龍治]
雲粒(くもつぶ、うんりゅう)は直径10マイクロメートル(ミクロン)程度の水滴または氷晶でできている。雲の内部の気温が零下4℃以上であれば、ほとんど水滴、零下20℃以下であれば、ほとんど氷晶である。零下4℃から零下20℃の間は、全部水滴(過冷却水滴)のこともあるし(水雲(みずぐも))、全部氷晶のこともあり(氷晶雲)、また両者が混在していることもある。一般に水滴からできている雲は、輪郭がはっきりしている。氷晶からできている雲は、輪郭がぼやけたり、繊維のような感じを与える。前者は積雲など下層雲や中層雲に多く、後者は巻雲、巻層雲、鉄床雲など上層雲に多い。
雲粒の数は、薄い層雲で1立方センチメートル当り数十、積雲で300程度である。落下速度は、直径10マイクロメートルの雲粒で毎秒0.2センチメートル。直径100マイクロメートル以下の水滴の落下速度は直径の2乗に比例する。
[木村龍治]
野外の雲について考える前に、たとえば浴室について考えてみると、浴槽の水面からは絶えず水蒸気が蒸発しており、その一部は空中で水滴(湯気)になる。一部は、窓ガラスや鏡に結露してガラスを曇らせる。この現象は次のことを意味している。すなわち、浴室内の空気中には限られた量の水蒸気(気体の水分子)しか存在できないということである。その量を1立方メートル当りの空気に対する水蒸気の重さ(グラム)で表したものを飽和水蒸気量、水蒸気の分圧で表したものを飽和水蒸気圧という。飽和水蒸気量は気温が高いと大きくなる。浴槽に接した空気は暖められるから未飽和になり、水面からの蒸発が持続する。暖められた空気は上昇し、周りの冷たい空気と混ざって過飽和になり、湯気が発生する。窓ガラスに接触した空気はさらに冷やされるので、飽和水蒸気量が小さくなり、結露する。露の場合はガラスの面上に水分子が集まって水滴になるのであるが、湯気の場合は、空中で水分子が偶然に衝突して結合する現象は、よほど過飽和にならないとおこらない。ほとんどの場合は、空中に浮かんでいる塵(ちり)(凝結核)の周りに水蒸気が結露して水滴に成長する。
さて、野外の雲は浴室の湯気と似ているが、水蒸気を含んだ空気の冷やされ方が浴室と異なっている。冷たい空気と混ざり合うのではなく、水蒸気を含んだ空気の塊自身が冷える。冷える方法としては、放射冷却と断熱冷却がある。放射霧は放射冷却で生じるが、雲は断熱冷却が原因で生じることが多い。
断熱冷却とは、空気の塊が上昇すると気圧が低くなるので膨張し、その際に気温が下がる現象をさす。膨張すれば水蒸気圧も低くなる(したがって、飽和水蒸気圧から遠ざかるようにみえる)が、気温が下がることによる飽和水蒸気圧の低下のほうが大きいので、空気塊が上昇すると水蒸気は飽和し、雲が発生する。逆に、飽和した空気塊が下降すると未飽和になるため、雲は消える。したがって、おおよそ雲のある所は上昇気流、ない所は下降気流があると考えてよいであろう。
雲粒が非常に小さい場合は、表面張力の作用で、飽和水蒸気圧以上でもすぐに蒸発してしまう。大気中では、過飽和度が非常に小さい状態(相対湿度が100%をほとんど超えない状態)で雲粒が容易に発生するので、最初からある程度の大きさがあるはずである。それは、凝結核の周りに水滴が形成されることを意味する。凝結核としては、海水の飛沫(ひまつ)が蒸発したあとに残る塩の粒子や、燃焼生成物などが有効のようである。
氷晶雲の雲粒は、過冷却水滴が凍結する場合と、氷晶核の周りに水分子が昇華して氷晶ができる場合がある。氷晶核としては、雪結晶の破片がもっとも有効であるが、粘土粒子も有力である。人工降雨に使われるヨウ化銀は人工的な氷晶核として働く。
[木村龍治]
10種雲級は、雲の形と発生する高さによって分類したものであるが、雲の形だけに着目すると、
に示す3種類の形の組合せからできていることがわかる。Aは塊になっているもの、Bは水平方向に広がっているもの、Cは刷毛(はけ)でこすったような感じを与えるものである。A、B、Cはそれぞれ、雲の発生する原因が異なっている。Aは、大気の安定度が悪く、雲が自分の浮力で上昇しているときの形である。水蒸気が凝結する際に、1グラムの水蒸気当り600カロリーの潜熱(凝結熱)が発生して、雲粒を含んだ空気塊を加熱するために、熱気球と同じ原理で上昇するのである。浮力を失うとA´のように輪郭がぼやけて消えてしまう。Aを含む雲は積雲系の雲という。
Bは、安定度がとくに大きな層(前線面など)に沿って、大気が緩やかに上昇しながら動くときに発生する。雲の発生している面内が上下にうねると波状雲になる。また、雲の発生している面内で対流が生じると蜂の巣のようなパターンが現れる。対流は、雲の上面が放射冷却または水滴の蒸発で冷やされるときに生じる。Bの形をした雲は層雲系の雲という。
Cは、雲粒が落下しながら風に流されるときに現れる形である。風が吹いていても、風向・風速が高さによらず一定であれば、雲も風に流されているので、真下に向かって落下するはずである。しかし、普通は高さによって風向または風速が異なるので、横にたなびくような形になる。巻雲や尾流雲はこのような理由で生じる。
特殊な形の雲としては、山の近くにできる笠雲、つるし雲、山旗雲、レンズ雲、また、風下波、成層圏にできる真珠母雲、中間圏にできる夜光雲などがある。
[木村龍治]
10種雲級は、地表面から空を見上げて得られた空の知見に基づいている。地表面から見える空(対流圏)の範囲は水平方向100キロメートル程度である。航空機から雲を観察したとしても、水平線に近い部分は斜めになってよくわからないから、結局、地表から眺められる範囲と大差がない。したがって、10種雲級で分類できる雲の水平の広がりは数メートルから数十キロメートルに限られる。
1966年にアメリカによって世界で初めて打ち上げられた実用気象衛星は、このような事情に革命的変化をもたらした。今日では、静止気象衛星によって1時間ごとに地球全体の雲の分布がモニターされ、宇宙から見た雲のようすは天気予報に用いられている。
は、1984年1月1日正午(日本時間)の可視画像(可視光線で撮影した画像)で、ここには、10種雲級では整理できない雲の分布が見られる。低緯度には不規則な塊になった雲が分布している。不規則な塊は大小あり、赤道を挟んで東西に連なっているように見える。これらの雲は巨大な積乱雲で、積乱雲から吹き出す鉄床(かなとこ)雲が見えているのである。これらの雲は日々激しく変動するが、雲の現れやすい場所は定まっており、熱帯内収束帯とよばれる。
中緯度の雲の分布は、気圧の分布と密接に関連している。気圧の分布図(天気図)を基にして天気予報ができるのである。線状の雲は前線(おもに寒冷前線)に沿った雲である。数日間持続し、形をすこしずつ変えながら、西から東へ移動する。寒冷前線の北側に網目状の雲の分布が見られる。これは、寒気が海面上で下から加熱されて生じる中規模細胞状対流の結果生じる下層雲である。網目状の下層雲やその中に生じるカルマン渦などは、気象衛星によって発見された現象である。温帯低気圧や台風に伴う雲の特徴は顕著である。
[木村龍治]
見える範囲(または、あらかじめ定めた一定の範囲)の空の面積を10とするとき、その中で雲の占める面積を雲量という。天気予報では、雲量1以下を快晴、2から8を晴、雲量9以上を曇という。
地球全体では、雲量0(ゼロ)になることも10になることもない。理由ははっきりしていないが、つねに雲量が5に近い状態が保たれている。雲は、地球に入射する太陽放射をよく反射するから、雲量は大気が吸収する太陽放射エネルギーの量、したがって気温と密接に関連している。このため、地球全体の雲量は気候を変化させる要因として重要である。
[木村龍治]
1962年にアメリカのマリナー2号が金星探査を行って以来、多くの無人惑星探査機が火星、金星、木星、土星などに接近または着陸して、さまざまな気象データを送ってきた。これらの観測は惑星の気象について飛躍的な知見をもたらした。惑星大気については、それぞれの惑星の項目で述べるが、ここでは、各惑星の雲のようすを概観する。
(1)金星の雲 可視光線で金星を見ると、つねに真っ白に輝いている。全体が雲に覆われているからである。金星の雲は、高度50キロメートルから70キロメートル層に存在し、濃硫酸の微小な液滴からできている。雲の内部に入っても数キロメートル先まで見渡せるので、それほど濃い雲ではない。雲層の下に塵の多い層(ヘイズ)が存在する。この塵は、金星の活火山から供給された火山灰である可能性がある。紫外線で金星の雲を見ると、大規模な模様が出現する。
(2)火星の雲 現在の火星大気は気温と気圧が低いために、水は氷か水蒸気のどちらかの形になっている。地球大気に見られるのと似た山岳波や渦巻状の白い雲が観察されているが、これはおそらく氷晶雲であろう。しかし、雲量はごくわずかで、地球から見えるオレンジ色の部分は地表面である。しかし、ときどき大規模な砂嵐(すなあらし)が発生して、塵が火星大気の全部を覆ってしまうことがある。砂嵐は数週間も続く。それが晴れても、細かい塵が上層大気に残っているので、空は赤みがかった色になっている。逆に夕焼けは青い。
(3)木星の雲 木星の内部は液体水素の海に覆われており、その上に広がる厚さ1000キロメートルほどの水素とヘリウムの大気中には、上層から赤、白、茶、青とさまざまな色のついた雲が存在する。雲の主成分は、アンモニア、硫化水素アンモニウム、水と考えられている。もしもメタンの雲が存在したとすると、地球の場合と異なり、下降気流の部分で雲が発生し、上昇気流の部分で消える可能性がある。メタンの飽和蒸気圧が水蒸気ほど気温によって変化しないから、下降域で圧縮すると気体が凝集し、上昇域で膨張すると気化するためである。地球から見える木星表面の縞(しま)模様と大赤斑(はん)は雲のパターンである。
(4)土星の雲 土星の雲のようすは木星と似ている。しかし、木星ほど縞模様のコントラストははっきりしない。木星の渦と似た形の渦も観察されている。
[木村龍治]
日本人も古代から雲や霧に深い関心をもっていたことは、『万葉集』の約4500首のなかで雲について触れた歌が119首、霧について触れたものが77首もあることなどが示している。江戸時代には1759年(宝暦9)に伊予松山の法眼明逸(めいいつ)が『通機図解』を著し、雲の図を44点ほど載せて、雲と天気の関係を解説している。科学的な見方の萌芽(ほうが)もみえるが、多くは民間伝承のレベルのものである。民間では船乗りや漁民たちが空模様を見て天気の変化を予測していた。富士山の見える駿河(するが)湾沿岸の漁民は、この山にかかる雲の形で天候の変化をよく予知し、カンヌキ雲が出るとナライの風が吹くとか、笠(かさ)雲には十数種もの名前があって、ハナレ笠は日和(ひより)、ヒトツ笠は雨、レンズ笠は風雨、ヨコスジ笠は風というぐあいに、雲の形態的特徴に対応させて天気を予知している。富山湾では、立山に雲が坊さんの三角襟の法衣のように見えると、漁師たちはホーブクが立ったといい、大時化(おおしけ)の前兆とみた(『能都(のと)町史』)。越後(えちご)(新潟県)長岡在では、弥彦(やひこ)山に雲がかかったら翌日は雨、雲がとれたら晴れ。紀伊鬼ヶ城(三重県)付近では、春季に那智(なち)山に雲がかかったら雨が降る(川口孫治郎『自然暦』)などと伝えられている。
[神野善治]
『B・J・メイソン著、大田正次・内田英治訳『雲と雨の物理』(1969・総合図書)』▽『孫野長治著『雲と雷の科学』(1969・NHKブックス)』▽『伊藤洋三著『雲の表情』(1974・保育社・カラーブックス)』▽『安藤隆夫著『雲――気象歳時記』(1980・日本書籍)』▽『藤井幸雄著『雲と天気のかんさつ』(1980・講談社)』▽『浅井富雄・武田喬男・木村龍治著『大気科学講座2 雲や降水を伴う大気』(1981・東京大学出版会)』▽『高橋浩一郎ほか編『衛星でみる日本の気象』(1982・岩波書店)』▽『石崎秀夫監修『原色写真集「雲」――高度一万米の素顔』(1982・日本航空協会)』▽『飯田睦治郎・渡辺和夫著『気象衛星「ひまわり」の四季』(1982・山と渓谷社)』▽『倉嶋厚・鈴木正一郎著『自然観察シリーズ26地学編 雲』(1986・小学館)』▽『中村和郎著『シリーズ自然景観の読み方6 雲と風を読む』(1991・岩波書店)』▽『高橋健司著『風と光と雲の言葉――写真で見る気象の日本語』(1996・講談社)』▽『高橋健司写真・文『空の名前』(1999・角川書店)』▽『今井正子写真・文、綾一解説『高度1万メートルから見た雲たち』(2000・成山堂書店)』▽『木村龍治編、水野量著『応用気象学シリーズ3 雲と雨の気象学』(2000・朝倉書店)』▽『湯山生著、日本気象協会気象情報部編『くものてびき――わかりやすい雲の解説』(2000・クライム気象図書出版部)』▽『日本気象協会編著『風・雲・霧を調べる』(2001・ポプラ社)』▽『マイケル・アラビー著、小葉竹由美訳『地球気象探険――写真で見る大気の惑星』(2002・福音館書店)』▽『山田吉彦著『天気で読む日本地図――各地に伝わる風・雲・雨の言い伝え』(PHP新書)』▽『武田康男著『雲のかお』(小学館文庫)』▽『高橋和夫著『日本文学と気象』(中公新書)』▽『高橋浩一郎著『雲を読む本』(講談社・ブルーバックス)』
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(饒村曜 和歌山気象台長 / 宮澤清治 NHK放送用語委員会専門委員 / 2007年)
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