改訂新版 世界大百科事典 「スティムソン」の意味・わかりやすい解説
スティムソン
Henry Lewis Stimson
生没年:1867-1950
アメリカ合衆国の政治家,外交家。弁護士出身。1910年ニューヨーク州知事選挙に共和党候補として立候補し落選したが,翌年タフト大統領によって陸軍長官に任命され政界入りする。弁護士に一時復帰後,27年ニカラグア問題の調停役を務め,28-29年にはフィリピン総督となった。続いて29年フーバー政権の国務長官に就任し,30年のロンドン海軍軍縮会議にアメリカ代表として参加。また満州事変にあたっては,侵略による征服の不承認を内容とする〈スティムソン・ドクトリン〉を提唱した(1932)。33年のローズベルト政権成立時に政権引継ぎ役を務め,その後再び弁護士に復帰したが,第2次大戦時の超党派的統一を意図したローズベルトによって陸軍長官に起用された(1941-45)。とくに戦争末期,原子力政策に関する暫定委員会の委員長として,対日原爆投下決定にあたって重要な役割を果たした。
→マンハッタン計画
執筆者:藤本 博
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