旺文社世界史事典 三訂版 「ローズヴェルト」の解説
ローズヴェルト(フランクリン)
Franklin Delano Roosevelt
アメリカの第32代大統領(在任1933〜45)
民主党のウィルソンの下で海軍次官をつとめ,ニューヨーク州知事をへて1933年恐慌の最中に大統領に就任し,ニューディール政策を強力に推進した。また,ラテンアメリカ諸国に対しては善隣外交につとめ,フィリピンの独立を約束し,ソ連を承認(1933)して国交を回復した。第二次世界大戦の危機が迫ると,国防計画の強化,中立法の改正をはかり,1941年には四つの自由(言論・表現,信教の自由,欠乏,恐怖からの自由)を説き,チャーチルと大西洋上で会見して大西洋憲章を発表した。日本軍の真珠湾攻撃を機に国論を統一して参戦,カサブランカ・カイロ・テヘラン・ヤルタの諸会談に出席し,1944年には異例の大統領4選をかちえたが,大戦終結直前の4月に急逝した。
ローズヴェルト(セオドア)
Theodore Roosevelt
アメリカの第26代大統領(在任1901〜09)
ニューヨーク州知事をへて,共和党から副大統領に当選,マッキンリー大統領暗殺のあとをうけて大統領に昇任した。内政では独占企業の規正,資源保存政策,鉄道統制,労働対策など“革新主義(自由主義)”にもとづく政策を推進した。外交面ではカリブ海に勢力を伸ばしてパナマ運河建設権を獲得するなど帝国主義的な“棍棒外交”を展開するいっぽう,日露戦争・第1次モロッコ事件を調停し,1906年ノーベル平和賞を受けた。
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