日本大百科全書(ニッポニカ) 「ストゥーチカ」の意味・わかりやすい解説
ストゥーチカ
すとぅーちか
Пётр Иванович Стучка/Pyotr Ivanovich Stuchka
(1865―1932)
ラトビア出身のボリシェビキ革命家。パシュカーニスと並ぶ1920年代ソ連の指導的なマルクス主義法学者として知られる。自ら起草した1919年の法令において、法を、支配階級の利益に照応しかつ支配階級の組織された力によって保護される社会諸関係の体系(秩序)と規定し、のちにこの観点を展開して、法を具体的形態(社会関係)、抽象的形態(法律)、直観的形態(法イデオロギー)の三つの存在形態をもつものとして説いた。1930年代後半には批判を被ったが、1960年代以降再評価されるようになっている。主著に『法と国家の革命的役割』(1921)、『ソビエト民法教程』1~3巻(1927~1931)がある。
[大江泰一郎]
『藤田勇著『ソビエト法理論史研究』(1968・岩波書店)』