ストロンチウム九十(読み)ストロンチウムきゅうじゅう

精選版 日本国語大辞典 「ストロンチウム九十」の意味・読み・例文・類語

ストロンチウム‐きゅうじゅう‥キウジフ【ストロンチウム九十】

  1. 〘 名詞 〙 ストロンチウム人工放射性同位体。質量数九〇。原子炉原子爆弾水素爆弾などによる核分裂の際に生じる。半減期二八・八年でβ(ベータ)線を放出してイットリウム九〇に崩壊する。化学的な性質カルシウムに似ているので、空気飲食物などから人体にはいると骨に集まり蓄積され非常に有害となる。β線源トレーサー・放射能標準などに用いられる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ストロンチウム九十」の意味・わかりやすい解説

ストロンチウム90
ストロンチウムきゅうじゅう
strontium 90

ストロンチウムの 19種の放射性同位体一つで,ウランの核分裂に際して生成され,β線を放出する物質。半減期は 28年。カルシウムに類似した化学的性質をもち,人体に吸収されると骨に付着しやすく,骨肉腫白血病原因となる。

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世界大百科事典(旧版)内のストロンチウム九十の言及

【ストロンチウム】より

…【曾根 興三】
[放射性ストロンチウム]
 ストロンチウムには質量数78から94まで19の同位体があるが,そのうちの15は放射能をもつ放射性同位体である。そのなかで代表的なストロンチウム9090Srは核分裂生成物であり,大気圏内原水爆実験に際しての放射性降下物中に含まれ,半減期が27.7年と長いこと,体内ではカルシウムに似て消化管から吸収されると骨に集まり,そこで放射線に感受性の高い骨髄を長期にわたり照射することなどから注目された。原子力発電所等の原子炉内でも生成されるが,環境中に放出されることはない。…

※「ストロンチウム九十」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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