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水素爆弾 すいそばくだんhydrogen bomb

翻訳|hydrogen bomb

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

水素爆弾
すいそばくだん
hydrogen bomb

水爆と略称される。熱核反応によって放出されるエネルギーを使う爆弾。リチウムと重水素の化合物をつくり,これで原子爆弾を包んでおく。原子爆弾によって生じる高温で熱核反応を連鎖的に行わせ,巨大な爆発のエネルギーを得る。 1952年アメリカが初めて実験に成功した水爆は,重水素と三重水素を液化した,いわゆる「湿式水爆」であった。その後小型化する目的で重水素化リチウムを素材とする「乾式水爆」の開発が進み,53年のソ連に続いて,アメリカ,イギリス,中国,フランスなどが実験に成功している。この水爆の周囲を天然ウラン (99.3%は非分裂性のウラン 238) で包み,融合反応から生じる高エネルギー中性子によって分裂反応を生じさせるのが3F爆弾である。

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知恵蔵の解説

水素爆弾

ウラン(U)またはプルトニウム(PU)を短時間で核分裂させ、その時の高温・高圧を利用して重水素(D)と三重水素(T)を核融合させることで、より大きな爆発力を生み出す核兵器。言い換えれば、原子爆弾で数十万〜数百万℃の状態を作り出す起爆装置をもつ核融合爆弾。米国は1952年11月にマーシャル諸島エニウェトク環礁において、重水素と三重水素を実験装置内で核融合させる水爆予備実験をした。53年8月、今度はソ連が重水素化リチウムを用い、世界初の実戦用水爆の爆発実験を成功させた。米国はこれに対抗し、54年3月にマーシャル諸島のビキニ環礁で、やはり重水素化リチウムを使った水爆の爆発実験をした。当時、焼津漁港所属のマグロ漁船・第五福竜丸がビキニ環礁東方海上に出漁していたため被曝(ひばく)した。焼津港に帰港して診察を受けたが、乗組員23人全員が急性放射線症と診断された。

(渥美好司 朝日新聞記者 / 2008年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

水素爆弾

重水素やトリチウム(三重水素)といった水素の同位体やリチウムを核融合させてできる膨大なエネルギーを利用する核兵器。ウランやプルトニウムの核分裂による原爆よりはるかに大きなエネルギーを得られる。ただ、核融合には高温高圧状態をつくる必要があるため、原爆を起爆装置にしている。原爆よりも高い技術が必要とされる。

(2016-01-06 朝日新聞 夕刊 1総合)

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世界大百科事典 第2版の解説

すいそばくだん【水素爆弾 hydrogen bomb】

ジューテリウム2H,トリチウム3Hの原子核融合反応を利用した核兵器。水爆とも略称。起爆には原子爆弾の高温を利用する。原子爆弾の場合でも実験のさい大気や地下水の放射能汚染等大きな環境破壊が起こるが,水爆になると,その実験でさえ文字どおり地球的規模の放射能汚染を引き起こす。1954年3月より5月にかけてアメリカが太平洋のビキニ環礁で水爆実験を行ったさい,日本のマグロ漁船第五福竜丸は実験の立入り危険区域の外で操業していたにもかかわらず,多量の放射能降灰を浴びた。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

すいそばくだん【水素爆弾】

水素の同位体の核融合反応を利用した爆弾。起爆剤として原子爆弾を中心に置き、そのまわりを重水素と三重水素または重水素化リチウムで囲み、瞬間的に核融合反応を起こさせる。水爆。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

水素爆弾
すいそばくだん
hydrogen bomb

重水素や三重水素など、水素の同位元素の原子核が、核融合反応をおこして発生するエネルギーを利用した核兵器の一種。熱核兵器ともよばれる。現在は原子爆弾が爆発したときに生ずる高温を利用して核融合をおこさせており、原子爆弾よりもずっと爆発威力が大きい。本格的水素爆弾は、アメリカは1954年、ソ連は1955年に完成させた。イギリス、フランス、中国、インドも水素爆弾をもっている。1961年ソ連が約60メガトンの爆発を行ったのが、世界最大である。小型水爆の開発も進められている。[服部 学]

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世界大百科事典内の水素爆弾の言及

【核兵器】より

…核兵器は,エネルギーを放出するおもな核反応が核分裂であるか核融合であるかによって,核分裂兵器と核融合兵器とに二大別される。前者は原子爆弾(原爆),後者は水素爆弾(水爆)とも呼ばれる。
【開発の歴史】
 1938年ドイツのO.ハーン,F.シュトラスマンらはウランの核分裂を発見した。…

【核融合】より

…(化学式)この反応に基づき,トリチウムの製造を原子炉(分裂炉)を用いて行うことができるが,核融合炉ではDT反応自身によって生ずる中性子を用いて自己増殖させることも可能であり,その目的にリチウムを装荷したブランケット部を炉心プラズマの周囲に設けることが必要となる。 このようにDT反応,DD反応などを用いると,地上で巨大なエネルギーを取り出すことができるが,その実用はすでに水素爆弾(水爆)という型で達成されている。これらの核融合兵器において,点火に必要とされる超高温は核分裂爆弾(原爆)によって発生される(核兵器)。…

※「水素爆弾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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