日本大百科全書(ニッポニカ) 「スナエソ」の意味・わかりやすい解説
スナエソ
すなえそ / 砂狗母魚
sand lizardfish
[学] Synodus fuscus
硬骨魚綱ハダカイワシ目エソ科に属する海水魚。三河湾から土佐湾に至る沿岸に分布し、浅海の砂地にすむ。全長26センチメートルに達し、体は細長く、縦扁(じゅうへん)する。吻(ふん)はとがり、長さより幅が広い。上顎(じょうがく)は下顎より前に出る。背びれは体の中央部よりやや前にあり、胸びれは腹びれより短く、臀(しり)びれは体の後端近くにある。背びれの後方、尾びれの前に脂びれがある。鱗(うろこ)は円鱗(えんりん)で側線鱗は49~55枚。体色は背方が淡黄褐色、腹方が白色を帯びる。また、背に約10条の短い鞍(くら)状の暗斑(あんはん)がある。同属の種類は、日本には本種のほかアカエソS. ulaeなど7種が生息しており、近縁のマエソ属ほど重要ではないが、練り製品の材料となる。
[上野輝彌]