翻訳|spicule
針状体ともいう。太陽の彩層に見られる高温ガスのジェット流のこと。スピキュールは直径1000km,長さ約1万kmの針状の形をしており,太陽全面に網目状に分布している超粒状斑(直径3万km)の縁に沿って生垣のように立って見える。太陽全面で約30万本ある。太陽面上に投影して見ると暗い筋状に見える。スピキュールは彩層低部から発射され,磁力線に沿って数分間毎秒20~30kmの超音速で上昇しコロナの中を突き進んだ後,下降したり消えたりする現象である。その温度は約1万K,密度は原子数で1011個/cm3ほどである。スピキュールの成因はまだよくわかっていないが,有力なものとして,光球の粒状斑(直径1000km)の中の対流運動が超粒状斑の縁に切り立った磁力線にぶつかったとき,磁場の中に引き起こされる乱れが原因となり電磁流体的運動が起こるという考えがある。
執筆者:田中 捷雄
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… 海綿動物はわずかな数種を除いてはみな骨格をもっている。骨格は種類によって違うが,多くの場合には骨片spicule(針骨)という炭酸カルシウムまたはケイ素化合物からなる多数の小体であるが,またある種類では角質様の繊維が構成する不規則な立体的網目細工(これが普通に市販されている海綿である)をなす。 腔腸動物のうちではサンゴの類だけが骨格を有し,しかもそれは風変わりな骨格である。…
…Hα線だけを通すリヨ・フィルターで太陽面を見ると,たいへん非均質な彩層の構造を見ることができる。彩層の構造は太陽面に突き刺さった針状のスピキュール群とその間の温度約6000Kのガス領域からなる。非均質な構造は磁場の分布によるもので,スピキュールは太陽全面を網目状に覆う磁力線に沿って起こるジェット流である。…
※「スピキュール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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