スプリングカメラ(英語表記)folding camera

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スプリングカメラ」の意味・わかりやすい解説

スプリングカメラ
folding camera

1930年代に流行した,主としてブローニー・フィルム(→写真フィルム)を使用する折りたたみ式の中型カメラ一種スプリングカメラは日本での呼び名。扁平な箱型に納まっているカメラボディ(本体)にあるボタンを押すと,底辺をちょうつがいで止められ,ボディのふたになっている台座両側を支えられているスプリングの働きで L形に開く。開かれた台座上に,折りたたまれていた蛇腹が伸び,レンズシャッターを取り付けた前板が固定されて,撮影準備が整う。焦点合わせは,レンズ前玉の回転によって距離を変える形式が多い。携帯が便利な点に特徴があったが,35ミリカメラの出現で,しだいに姿を消していった。

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