日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャッター」の意味・わかりやすい解説
シャッター
しゃったー
shutter
防火や防盗の目的で建物の出入口や窓などに取り付けられる鋼製の巻上げ戸で、成形されたスラットslat(細長い鉄板)をよろい戸状につづってつくられている。一般的に重量シャッターと軽量シャッターに大別され、ビルなどに使用する大型のものを重量シャッターとよんでいるが、これをJIS(ジス)(日本産業規格)ではスラットの板厚のサイズや構造によって、重量シャッター(JIS A4705)と軽量シャッター(JIS A4704)とに区分している。さらに用途によって、重量シャッターは管理用シャッター、外壁用防火シャッター、屋内用防火シャッター、防煙シャッターの4種類、軽量シャッターは管理用シャッター、外壁用防火シャッターの2種類に区分している。
防火シャッターは、建築基準法で耐火性能によって特定防火設備と防火設備とに区分されている。階段回りや吹抜けなどの竪穴(たてあな)区画には重量シャッターに遮煙機能を施した防煙シャッターが使用され、火災時にヒューズの溶解や煙感知器などと連動して自動降下する。開閉には電動と手動の方式がある。防火目的以外の管理用シャッターでは、商店・ガレージ・雨戸などに使用されるシャッターのほか、格子状のパイプシャッター、ケース内に巻き込まず天井面に格納するオーバーヘッドドアがある。
[吉田 稔]