スミソニアン合意(読み)スミソニアンごうい(英語表記)Smithsonian Agreements

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スミソニアン合意」の意味・わかりやすい解説

スミソニアン合意
スミソニアンごうい
Smithsonian Agreements

1971年 12月ワシントン D.C.のスミソニアン・インスティテューションで開催された十ヵ国蔵相会議で成立した主要国通貨の多角的調整などに関する合意事項。この合意に基づく国際通貨秩序を「スミソニアン体制」と呼ぶ。同年8月の米ドルと金との交換停止というニクソン・ショックによる通貨混乱を収拾するために,(1) 米ドルは金に対して 7.89%切下げて1オンス=38ドル (以前は 35ドル) とし,(2) 各国通貨の基準為替相場を調整 (ドルに対する切上げ,円はこのとき1ドル=360円から 308円へと 16.88%切上げた) し,それを平価の形で発表する,(3) 為替変動幅為替平価の上下1%から暫定的に 2.25%に拡大する,(4) アメリカは輸入課徴金をただちに撤廃することなどを合意した。しかしこの体制は,米ドルが資産決済制度を欠くなど不安定かつ暫定的であったため,数次にわたる通貨危機が発生し,73年に各国が変動為替相場制度に移行して崩壊した。

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