通貨危機(読み)つうかきき(英語表記)currency crisis

知恵蔵「通貨危機」の解説

通貨危機

1997〜98年に東アジアを襲った通貨危機が有名であるが、同じような状況が94〜95年のメキシコに、また92〜93年には通貨統合を目指していた西欧諸国にも発生した。さらにさかのぼると、ブレトン・ウッズ体制下のポンドフランの相次ぐ切り下げも同じ性格を持つ。固定相場制の維持に不信が生じると、通貨切り下げを予想した資本逃避が増加し、通貨当局は外貨準備急減に直面する。そこで現実に、切り下げに追い込まれるという経過をたどる。アジアやメキシコの通貨危機は、対ドル為替相場の固定化が背景にあった。固定相場の水準実勢よりも高すぎると起こりやすいが、必ずしもマクロ経済状況から説明できない時にも起こる。

(石見徹 東京大学教授 / 2007年)

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百科事典マイペディア「通貨危機」の解説

通貨危機【つうかきき】

通貨の対外的価値が急激に下がり,通貨の流通する国家・地域経済に混乱打撃を与えること。経済情勢が不安定な新興国の通貨を,ヘッジファンドなどの投機的資金が大規模な空売りを仕掛け安くなったところで買い戻すという操作で巨額の利益を得ることで生じる場合がある。1997年のアジア通貨危機はその例。現在ではグローバリズム進行で金融市場が世界的に拡大し,新興国のみならず先進国や通貨統合を進めている地域でも構成国の財政赤字がただちに地域全般的な通貨危機につながり,ソブリンリスクを招くという事態に発展する。2009年のギリシア財政破綻にを発するユーロ危機がその典型例である。

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デジタル大辞泉「通貨危機」の解説

つうか‐きき〔ツウクワ‐〕【通貨危機】

通貨の対外的な価値が急激に下がることで、その通貨が流通する国・地域の経済に大きな混乱・打撃を与えること。新興国では、経済情勢が不安定なことに加え、外国為替相場の取引規模が比較的小さいため、ヘッジファンド等の巨額な投機的資金による攻撃売り浴びせ)の対象となりやすく、通貨危機が発生しやすい。

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