スラストリバーサー(読み)すらすとりばーさー(その他表記)thrust reverser

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スラストリバーサー」の意味・わかりやすい解説

スラストリバーサー
すらすとりばーさー
thrust reverser

主としてジェットエンジンスラスト推力)をほぼ逆転させて車輪ブレーキの働きを助ける装置。逆スラスト装置、逆推力装置などともいう。飛行機が高速化するにつれて離着陸速度も速くなり、滑走距離も長くなる。そこでジェットエンジンの排気ガスの流れの中に邪魔板(じゃまいた)を入れ、ガスの流れの方向を変え、空気抵抗を大きくしてブレーキの働きをさせるスラストリバーサーが考え出された。逆向きの推力は飛行機の構造で抑えられ、最大離陸推力の30~50%程度で、乾燥した滑走路面では着陸距離を約10%縮めることができる。滑走路面が水や氷で覆われて、滑りやすくなった状態では車輪ブレーキが効かないので、スラストリバーサーの威力が発揮される。なお、作動時には騒音や燃料消費量が増えるほか、時速150キロメートル以下に減速した後に使用を続けているとタービン部分が過熱したり、逆噴射したガスがエンジンの前に回ってふたたび吸い込まれファンや圧縮機が失速したり、あるいは地表小石や砂などの異物を吹き上げてエンジンに吸い込ませブレードを損傷する恐れなどの問題がある。また機種によっては、空中で操作しスピードブレーキとして使用するものもある。プロペラ機でも羽根角度ピッチ)を逆にして、ブレーキの役目をもたせる可逆ピッチ機構がある。

[落合一夫]


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