しばしば後肢で立ち上がりプレリードッグに似た姿勢をとるジャコウネコ科の食肉類。ミーアカット,ミーアキャットともいう。アンゴラ南西部,ナミビア,ボツワナ,南アフリカの乾燥地帯に分布。体長25~35cm,尾長17~25cm,体重620~800g。体つきは細く,頭が小さく,目の周辺が黒く吻(ふん)がとがるので神経質そうに見える。毛は長く柔らかく,明るい黄色がかった灰色で,顔から胸にかけて白く,耳介や尾端は黒い。群れで砂地に掘った穴や,岩の割れ目にすむ。日の出とともに巣を出て,昆虫,クモ,ムカデやトカゲ,小鳥,ネズミなどをとらえ,植物の根や果実も食べる。日光浴を好み,後肢で立ったり横になったりして岩の上で過ごす。この習性は“太陽崇拝”と呼ばれている。日が暮れると巣に戻り,地下3mの深さにまでのびるトンネル内で休む。繁殖は一年中で,交尾後約77日で1産2~5子を生む。子は2ヵ月ほどで離乳する。飼育下での寿命は12~13年。
執筆者:今泉 忠明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…多くのものは単独で生活し,繁殖期のみつがいを形成するが,最小種のコビトマングースHelogale parvula(東・南アフリカ)のように2~5頭の群れで日中活動をするものや,10~24頭の群れをつくるクシマンセCrossarchus obscurus(英名cusimanse。アフリカのギニア北岸),数十頭で地中の穴を巣とするキイロマングースCynictis penicillata(アフリカ南部)やスリカタ(ミーアキャット,ミーアカット)Suricata suricatta(アフリカ南部)などがある。 大部分の種類は地上生だが,巧みに木に登るものもあり,シマオマングース(ワオマングース)Galidia elegans(マダガスカル)はふつうに木に登る。…
※「スリカタ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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