日本大百科全書(ニッポニカ) 「スーパー特急線」の意味・わかりやすい解説
スーパー特急線
すーぱーとっきゅうせん
フル規格の新幹線が走行可能な路盤(軌道を支える地盤)をもつ新線を建設して、最高時速160~200キロメートルで在来線に直通する列車が走れるようにした狭軌の新線。新幹線鉄道規格新線ともいう。1991年度(平成2)に全国新幹線鉄道整備法が一部改正され、山形新幹線や秋田新幹線で採用されたミニ新幹線とともに、新たに建設が可能になった。当時は、北陸新幹線の糸魚川(いといがわ)―魚津(うおづ)間や石動(いするぎ)―金沢間、九州新幹線の八代(やつしろ)―西鹿児島間がスーパー特急方式で計画されたが、その後、これらの区間はフル規格新幹線としての整備へと変更され、現在はスーパー特急方式の路線は存在しない。
JR西日本の湖西(こせい)線山科(やましな)―近江塩津(おうみしおつ)間や、第3セクターの北越急行(通称ほくほく線)六日町(むいかまち)―犀潟(さいがた)間など、在来線でありながら、信号保安設備の改良、軌道や路盤の強化、曲線や勾配を緩和することで最高時速130~160キロメートルの高速化を実現している路線も存在するが、こちらは「在来線の高速化」という表現が一般的である。
[青木 亮]