デジタル大辞泉
「ずから」の意味・読み・例文・類語
ず‐から〔づ‐〕
[接尾]
1 人の心・身体などを表す語に付いて、そのもの自身という意を表す。…で。…から。…のまま。「おのずから」「みずから」「口ずから」
2 人間関係を表す名詞に付いて、その関係にある意を表す。
「拙者ためには従弟―なるが」〈浮・伝来記・二〉
3 人の動作を表す名詞に付いて、その動作をもってという意を表す。
「むむ神詣でか、徒歩―殊勝殊勝」〈浄・安達原〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ず‐からづ‥
- 〘 造語要素 〙 ( もと、助詞「つ」に名詞「から」の付いたもの )
- ① 人、または人間の部分を表わす名詞に付いて、そのもの自身を源とする意を示す。そのままで副詞的に用いることが多い。…のまま、…から、…で。「おのずから」「みずから」など。
- [初出の実例]「海(わた)の底 沖つ深江の 海上(うなかみ)の 子負(こふ)の原に 御手豆可良(ヅカラ) 置かし給ひて」(出典:万葉集(8C後)五・八一三)
- 「恥もわすれてくちつからいひたれば」(出典:紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一二月三〇日)
- ② 人間関係を表わす類の名詞に付いて、その関係にある者の意を示す。副詞的にも用いる。
- [初出の実例]「おもひがけなき文つけられて、隣づからの親々の手まへ如何ながら」(出典:浮世草子・好色産毛(1695頃)五)
- ③ 人の動作を表わす名詞に付いて、その動作をもって、の意を表わす。
- [初出の実例]「ムム神詣(かみまうで)か、徒歩(かち)づから殊勝々々」(出典:浄瑠璃・奥州安達原(1762)三)
ずからの補助注記
「ず」は連体の助詞「つ」であるが、「ずから」については古くから濁音だったようである。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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