ずと（読み）ズト

デジタル大辞泉

ず‐と

［連語］《打消しの助動詞「ず」の連用形＋接続助詞「と」》…（し）ないで。…（せ）ずに。
「ゆめゆめこれを知ら―いましめ侍るなり」〈仮・伊曽保・下〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ず‐と

1. ( 打消の助動詞「ず」に助詞「と」の付いたもの )
2. ① 「と」は逆接を表わす。…なくても。…ないでも。
   1. [初出の実例]「其の奥様の難儀とあらば、言はずと出さう奴が」(出典：歌舞伎・仏母摩耶山開帳（1693）一)
   2. 「気がちいさいから、せずとよい苦労を余計にいたして」(出典：人情本・仮名文章娘節用（1831‐34）三)
3. ② 「と」は単なる接続の意を表わし、命令や依頼の表現に続けられる。…ないで。ずに。
   1. [初出の実例]「簿書の結計算用なんどの人をばしらせすとをけと云ぞ」(出典：四河入海（１７Ｃ前）一九)
   2. 「まづさう言はずと聞いてたも」(出典：歌舞伎・傾城富士見る里（1701）一)

出典　精選版 日本国語大辞典