ズルツァー(読み)ずるつぁー(その他表記)Johann Georg Sulzer

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ズルツァー」の意味・わかりやすい解説

ズルツァー
ずるつぁー
Johann Georg Sulzer
(1720―1779)

ドイツ啓蒙(けいもう)主義の哲学者、美学者。1747年以降ベルリンのギムナジウム教授を務めた。C・ウォルフの後継者として、感覚や感情を快・不快を伴う混濁した表象とする心理学的分析に基づいて、美や道徳を論じた。とくに大著『一般芸術論』Allgemeine Theorie der schönen Künste(1771―1774)全4巻は、アルファベット順に並べられた美や芸術についての諸項目の事典形式をとる。そこにおいて彼は、美をもっぱら形式によってのみわれわれの感覚や構想力に適意なものとし、またそのような美の形式を「多様の統一」にみた。

[西村清和 2015年3月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ズルツァー」の意味・わかりやすい解説

ズルツァー
Sulzer, Johann Georg

[生]1720.10.16. ウィンテルテュール
[没]1779.2.27. ベルリン
ドイツの美学者,哲学者,心理学者。 1747年ヨアヒムシュタール・ギムナジウムの数学教師,50年ベルリン・アカデミー正会員,63年新設のベルリン・リッター・アカデミー教授。啓蒙主義の立場に立ち,J.ボードマー,J.ブライティンガーに美学,文芸への関心を呼起させた。4巻から成る『美的諸芸術一般論』 Allgemeine Theorie der schönen Künste (1771~74) は,当時の美学,芸術学事典として貴重である。主著『自然の作物についての若干の道徳的考察』 Versuch einiger moralischer Betrachtungen über die Werke der Natur (71) 。

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