セベルナヤゼムリャ諸島(その他表記)Severnaya Zemlya

改訂新版 世界大百科事典 「セベルナヤゼムリャ諸島」の意味・わかりやすい解説

セベルナヤ・ゼムリャ[諸島]
Severnaya Zemlya

ロシア連邦北部,タイミル半島北方の北極海に浮かぶ諸島。〈北の土地〉の意。北からコムソモレツ島,ピオネール島,オクチャブリスカヤ・レボリュツィア(十月革命)島,ボリシェビク島の4大島と10余りの小島からなり,多島海を形成する。総面積3万7000km2。タイミル半島と諸島の西側はカラ海,東はラプテフ海である。南端のボリシェビク島と大陸北端のタイミル半島チェリュスキン岬との間は,幅約60kmのビリキツキー海峡となる。総面積の半ば近くが氷河に覆われ,最高点はオクチャブリスカヤ・レボリュツィア島の氷帽で標高965m。最も厚い氷河は400mの厚さをもつ。島を構成する岩石はケツ岩,砂岩,石灰岩,白雲岩などで,島の周囲をとりまく隆起海食崖などの上には第四紀層が堆積している。諸島は北緯80°前後の高緯度にあり,月平均気温は7~8月が約1℃,1~2月が約-30℃。年降水量300~400mm。氷河に覆われない地表は極地性ツンドラか裸地で,顕花植物が約50種,タビネズミ,南の島には野生のトナカイがすみ,夏には無数の水鳥が営巣して雛をかえす。諸島はロシアの探検家ビリキツキーB.A.Vil'kitskii(1885-1961)が探検したが,1930-32年にウシャコフG.A.Ushakov(1901-63)指揮の探検隊により精査され,セベルナヤ・ゼムリャと命名され,地図に記載された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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