せむしの子馬(読み)せむしのこうま(その他表記)Конёк горбунок/Konyok gorbunok

日本大百科全書(ニッポニカ) 「せむしの子馬」の意味・わかりやすい解説

せむしの子馬
せむしのこうま
Конёк горбунок/Konyok gorbunok

ロシアの詩人エルショーフが民話をもとに詩形式で書いた物語。1834年発表、56年に完全版を刊行。みんなからばか者扱いされている農夫の末息子イワンが、誠実な勇気ある行動によって魔法せむしの子馬を手に入れたあと、欲深な王に次々と難題を吹きかけられるが、せむしの子馬の助けで、火の鳥をつかまえたり海の姫を連れてきたりして、最後に幸福をつかむ。プーシキンに絶賛され、旧ソ連だけでなく世界中の子供に広く読まれている。長編漫画映画もあり、バレエ化もされている。

[内田莉莎子]

『田中かな子訳『せむしのこうま』(1984・理論社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「せむしの子馬」の意味・わかりやすい解説

せむしの子馬
せむしのこうま
Konëk-Gorbunok

ロシアの作家 P.エルショフ童話詩。 1834年,作者がペテルブルグ大学在学中に断章を発表,56年に完全な形で刊行された。百姓の子イワンは畑を荒す馬をつかまえ,逃がしてやるが,代りにせむしの子馬をもらう。この子馬が活躍してイワンを助け,皇帝の課した難題を解き,イワンはめでたく王女と結婚する。フォークロア的題材をもつこの童話は,皇帝,役人らを鋭く風刺し,主人公に民衆知恵と力を代表させている。

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