セルボクロアチア語(読み)セルボクロアチアゴ(その他表記)Serbo-Croatian language

精選版 日本国語大辞典 「セルボクロアチア語」の意味・読み・例文・類語

セルボ‐クロアチア‐ご【セルボクロアチア語】

  1. 〘 名詞 〙 インド‐ヨーロッパ語族スラブ語派南スラブ語群に属する二言語、セルビア語クロアチア語を合わせた呼称。セルビア‐クロアチア語とも。両言語は、方言差異文語伝統では違いがあるものの、標準文章語のレベルでは同一の言語といえる。旧ユーゴスラビア公用語一つで、セルビア人クロアチア人、ツルナ・ゴーラ人、ボスニア回教徒によって話される。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セルボクロアチア語」の意味・わかりやすい解説

セルボ=クロアチア語
セルボ=クロアチアご
Serbo-Croatian language

かつてユーゴスラビアを構成した,セルビアモンテネグロボスニア・ヘルツェゴビナクロアチアの言語。スラブ語派の南スラブ語群に属する。セルビアではおもにキリル文字を,クロアチアではローマ字を用いる。三つの方言に大別され,「なに」を表す疑問代名詞の違いから,それぞれ,シト što方言,チャ ča方言,カイ kaj方言と呼ばれる。このうちシト方言が最も広い地域で使われ,標準語の基礎になっている。1990年代初頭のユーゴスラビア解体後,各国が独自の言語使用基準を設定し,それぞれセルビア語,クロアチア語,ボスニア語,モンテネグロ語と呼ぶようになったため,セルボ=クロアチア語という用語は公式には使われなくなった。言語研究の分野で用いられることもあるが,一方でボスニア語=クロアチア語=セルビア語を意味する BCSという用語も一般的になりつつある。

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