セレーネ(読み)せれーね(その他表記)SELenological and ENgineering Explorer

知恵蔵 「セレーネ」の解説

セレーネ

日本の月周回衛星。2008年の夏に種子島宇宙センターからH‐IIAロケットによって打ち上げられる。主な目的は、月の起源と進化の解明のための科学データを取得することと、月周回軌道への投入や軌道姿勢制御技術の実証を行うこと。高度約100kmの極・円軌道を周回する主衛星と、より高い楕円軌道を周回する2機の子衛星(リレー衛星、VRAD衛星)から構成される。これらの衛星には15種類のミッション機器が搭載され、アポロ計画以来最大規模の本格的な月の探査が行われる。主衛星は、重量約3tの3軸安定で、約1年間にわたって月の全球マッピングや磁場観測などを行うと共に、リレー衛星とVRAD衛星に搭載された観測機器と連携して、月全球の重力場の観測を行う。リレー衛星とVRAD衛星はいずれも重量50kgのスピン安定で、楕円・極軌道に投入される。一連の海外の月ミッションの先駆けとなって、様々な貴重なデータを提供することが期待されている。また、将来日本が月を利用する計画の見通しをつけるためのミッションでもある。

(的川泰宣 宇宙航空研究開発機構宇宙教育センター長 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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