ゼブリナ(その他表記)wandering Jew
Zebrina pendula Schnizl.

改訂新版 世界大百科事典 「ゼブリナ」の意味・わかりやすい解説

ゼブリナ
wandering Jew
Zebrina pendula Schnizl.

温室で栽植されるツユクサ科の常緑多年草ハカタカラクサとも呼ばれ,明治中ごろに渡来した。挿木繁殖が容易で,温室の棚下などでもよく育ち,生長も早く,夏のつり鉢物として人気があり,普及してきた。葉は長さ6~8cmの長卵形で,葉の表は紫褐色に銀白色の太い縞が2本入り,裏は濃紫紅色となる。日陰でもよく育つが強光にも耐えるので,夏は花壇にも利用できる。園芸品種のディスカラーcv.Discolorは銀白色の縞が不明りょうで銅緑色となる。クアドリカラーcv.Quadricolorは濃緑色地に白,ピンク,黄白色の縞斑(しまふ)が入り美しいが,斑の美しい枝を選抜していかないと普通の緑葉ばかりになってしまう。ゼブリナ属Zebrinaは中央アメリカを中心に4種ほどある。トラデスカンティア属と混同されやすいが,花は基部が合着し筒状になるので区別される。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゼブリナ」の意味・わかりやすい解説

ゼブリナ
ぜぶりな
[学] Tradescantia
Zebrina

ツユクサ科(APG分類:ツユクサ科)の多年草。メキシコグアテマラ原産。観葉植物として栽培され、茎は多汁・多肉質で、地面をはい、枝分れして伸びる。温室内の地被植物や吊(つ)り鉢に用いられる。ペンデュラ種(和名シマフムラサキツユクサ、ハカタカラクサ)がよく栽培される。葉は卵状長楕円(ちょうだえん)形、表面は銀白色で、中央と縁(へり)に暗紫緑色の条線が入り、裏面は紫紅色。10月ころ桃紫色花を開く。葉色が違う変種がある。本種より大形のプルプシー種は、葉の表面は暗褐紫色で、裏面は紅紫色である。10月ころ藤(ふじ)色の花を開く。

[植村猶行 2019年6月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のゼブリナの言及

【トラデスカンティア】より

…一方,熱帯アメリカ原産のものには,観葉鉢物として栽培される種がある。トラデスカンティア・アルビフロラT.albiflora Kunth(英名wandering Jew)は匍匐(ほふく)する茎をもち,その栽培品種アルボビッタータcv.Albovittataは葉に白色線状斑が入る大型種で,茎も太く強健で,つり鉢に向く。緑葉に戻ることがあるので,選抜が必要。…

※「ゼブリナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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