そえに(読み)ソエニ

デジタル大辞泉 「そえに」の意味・読み・例文・類語

そえ‐に[連語]

[連語]…までも。…もまた。
「年つもる雪とし聞けば今日―心とけてもいかが見ゆべき」〈弁内侍日記
[補説]「そへ」は動詞「添う」の名詞形「添え」か。「に」については格助詞・間投助詞その他の説もある。

そえ‐に[接]

[接]《「そゆゑ(其故)に」の音変化か》それゆえに。
「―とてとすればかかりかくすればあな言ひ知らずあふさきるさに」〈古今雑体

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「そえに」の意味・読み・例文・類語

そえ‐にそへ‥

  1. ( 副助詞「さえ」の異形かと思われる「そえ」に助詞「に」の重なったもの ) 「…もまた」の意か。
    1. [初出の実例]「今日そへにくれざらめやはと思へども堪へぬは人の心なりけり〈藤原敦忠〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)恋四・八八二)

そえにの補助注記

( 1 )「そえ」は、「さえ」の語源と思われる「添え」と関係があると言われる。
( 2 )「それゆえに」の意を表わす接続詞「そえに」とは語源を異にすると思われる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android